ガラス質の素材が大好きな「シリカスケール」を落とす2つの方法と最適な洗剤選びのポイント
こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です。
清掃業の皆さま、公衆浴場業の皆さま、同じ浴場内に現れる水垢なのに場所によって落とせたり落とせなかったりした経験はございませんか?
例えば、浴槽内の水垢は落とせたけど鏡の水垢は落とせなかったとか、排水溝の水垢は落とせたけどタイルの水垢は落とせなかったなど。
実は水垢には種類がたくさんあるため、同じ浴場内であっても現れる水垢は1種類とは限らないのです。
さらに特定の素材が大好きな、場所よって現れやすい水垢もあったりします。
中でも厄介なのが、「ガラス質」が大好きな「シリカスール」と言われる水垢です。
なぜ厄介なのかと言うと、カルシウムスケールのように酸性洗剤で落とすことができないからです。
濃硫酸や濃塩酸をかけてもびくともしないんです。
ではどんな方法と洗剤で落とすことができるのか?
ということで今回は、ガラス質の素材が大好きな「シリカスケール」を落とす2つの方法と最適な洗剤選びのポイントについてお話ししたいと思います!
シリカスケールがつきやすい素材とは?
具体的に「ガラス質」とはどんな素材なのかと言うと、まずは窓ガラスです。
浴室に大きなガラスをつけて一面の景色を見渡せる「展望風呂」をお持ちの浴場業の皆さまには、シリカスケールに悩まされている方が多いのではないでしょうか?
浴場に使われる鏡もガラスで作られているので、シリカスケールがつきやすいんです。
「カランの水垢は落とせたけど、なぜか鏡の水垢が落ちない…」
多くの浴場業の皆さまが感じていることではないでしょうか?
他にもツルツルしたタイルや陶器もガラス質ものも多く、シリカスケールがつきやすくなります。
シリカスケールを「擦って」落とす!
では酸性洗剤で落とすことができないガラス質についたシリカスケールをどうやって落としたらいいのか?
と言うことになりますが、方法は2つあります。
1つ目は「擦って」落とす方法です。
ガンコなシリカスケールを擦って落とすわけですから、もちろん研磨力が強くなけれいけません。
なので硬度最強の「ダイヤモンド」のパッドを使って磨くのが最も有効です。
でもいくらダイヤモンドパッドが有効と言っても、かなり時間と労力がかかるうえ、素材に傷をつけず研磨する技術も必要な作業になります。
またもし傷がつかないようにうまく磨けたとしても、肉眼では分からないだけでガラス表面は傷みます。
ガラスより硬度が高いダイヤモンドで擦るわけですからね。
なのでもキレイになったとしても、またすぐにシリカスケールがついてしまうんですよね。
また、ザラザラした表面にガッチリつくことになりので、さらに落ちにくくなります。
なのでダイヤモンドパットでのこすり洗いは最後の手段として後に回して、できればガラスより硬度が低いもので擦るようにした方がいいと思います。
そこでオススメなのが「茂木和哉」です。
「茂木和哉」の研磨剤は、浴場で一般的に使われる鏡やガラスより硬度が低く傷つけるリスクが低いんです。
超厄介な同質化したシリカスケールとは?
とは言っても一般家庭のお風呂ないいでしょうけど、浴場施設の大きやガラスからたくさんある鏡まで全てのシリカスケールを「茂木和哉」で磨き上げるとなると、かなりの時間と労力が必要となります。
また「同質化」が進んだシリカスケールは、「茂木和哉」で落とせないことがあるんです。
ガラスの成分とシリカスケールの成分は、同じ「二酸化ケイ素」と言われるものです。
ガラス質に長くシリカスケールが付着していると、本来別々の「素材」と「汚れ」なのですが、仲良しすぎて徐々に同質化してしまうんです。
同質化が進むんだシリカスケールは、もう「汚れ」ではなく「素材」と言ってもいい状態なので「茂木和哉」で落とすとなるとかなり難しくなります。
そうなってしまっては、専門の磨き屋さんから機械磨きで落としてもらうしか方法はないと思います。
シリカスケールを「溶かして」落とす!
酸性洗剤で溶かすことができないほどガンコなシリカスケールなのですが、ある特定の成分には弱く溶けてしまいます。
その成分とは「フッ酸(フッ化水素酸)」と「フッ化アンモニウム」です。
なのでフッ酸かフッ化アンモニウムが主成分の洗剤を使えば、シリカスケールを落とすことができます。
しかし問題点が2つあります。
シリカスケールを溶かして落とす方法の問題点 その1
1つ目は、ガラス質の素材まで溶かしてしまう可能性がある点です。
お伝えした通り、ガラス質の素材とシリカスケールは同じ成分なので、シリカスケールだけでなく素材まで溶かしてしまうリスクがあるんです。
でもシリカスケールとガラス質の素材では、硬さといいますか強さが違います。
もちろんシリカスケールの方が弱いので、フッ酸やフッ化アンモニウムの濃度や接触時間を注意すれば素材を傷める事なくシリカスケールだけを落とすことができます。
しかし同質化が進んだシリカスケールを溶かし落とすとなると、非常に難易度が高くなり、慣れてないとシリカスケールと一緒に素材表面まで溶かしてしまうこともあります。
シリカスケールを溶かして落とす方法の問題点 その2
もう1つも問題点は、どちらも危険な点です。
特にフッ酸は非常に危険です。
どのぐらい危険なのかと言うと、洗剤にほんのちょっと入っていたら「劇物」扱いになるほどです。
危険なイメージが強い塩酸や硫酸でさえも、10%以上入ってないと劇物扱いにはなりません。
そのことからもどれだけ「フッ酸」が危険なものなのかイメージできるかのではないでしょうか。
なので私は、いくらシリカスケールがよく落ちるからと言ってもフッ酸配合の洗剤を使う事はオススメしません。
いくら使い慣れていていたとしても、いつ危ない目に合うかわかりませんからね。
またフッ化アンモニウム配合洗剤も、フッ酸ほどではありませんが危険度が高いもが多いので安心はできません。
ただしフッ化アンモニウムの種類や配合量によっては、それほど危険ではないものがあります。
その危険度の判断基準となるは、やはり劇物扱いなのかどうなのかってところだと私は思うんですよね。
国が決めたルールですからね。
なので、安全性も考えた上でシリカスケールに適した洗剤を選ぶとしたら、フッ化アンモニウムが配合されているけど、劇物扱いになっていなでないものを選べばいいということになります。
劇物扱いの洗剤の場合、容器に「医薬用外劇物」の記載があるので簡単に確認ができます。
うっかり容器を確認するのを忘れたとしても、購入する際はハンコが必要になるのでそこで気づくはずです。
でもせっかく買うならなら少しでもシリカスケールがよく落ちる洗剤を選びたいですよね。
なので、劇物扱いになるギリギリのラインまでフッ化アンモニウムが入っている洗剤を選べばいいことにります。
そのためには、フッ化アンモニウムの種類とそれぞれの劇物扱いになるラインを知る必要があります。
ということでフッ化アンモニウムについて、もう少し掘り下げていきたいと思います。
フッ化アンモニウムには、
・ケイフッ化アンモニウム
・ホウフッ化アンモニウム
・一水素ニフッ化アンモニウム(別名:酸性フッ化アンモニウム)
・フッ化アンモニウム(別名:中性フッ化アンモニウム)
の4つがあります。
この4つの中で、ケイフッ化アンモニウムとホウフッ化アンモニウムは、フッ酸と同じくほんのちょっとでも洗剤に含まれていると劇物扱いになります。
しかし、一水素ニフッ化アンモニウムなら4%以上が劇物扱いとなります。
この事からも一水素ニフッ化アンモニウムは、ケイフッ化アンモニウムやホウフッ化アンモニウムよりも危険度が低いと判断ができますよね。
そして中性フッ化アンモニウムは、いくら配合されてても劇物扱いにはなりません。
なので一水素ニフッ化アンモニウムがギリギリ4%まで入ってて、中性フッ化アンモニウムがたっぷり含まれている洗剤が、理想的なシリカスケール用の洗剤ということになります。
ここまで聞いた皆さんの中には、「うまいことそんな条件に当てはまる洗剤って存在するの?」と思われた方もいるかと思います。
でも安心してください。
なかったので私が作りました。
それが、「青鬼」なんです!
最後に
いかがでしたでしょうか?
「青鬼」は、洗浄力のことだけを考えて作ったわけではないのでフッ酸ほどの洗浄力は期待しないでくださいね。
でも、使う方の健康のことも考えて作りました。
実は私が清掃業をしていた頃に、フッ酸を使っていた時がありました。
フッ酸を使うと時間をかけずにキレイにすることができるのでお客様に喜ばれるんです。
同業者が落とせない汚れでも落とせたりしますからね。
しかし将来の自分の体が心配になり使うのをやめました。
特に怖いと思ったのが、希釈液を作る時です。
フッ酸の原液は50%ぐらいなのですが、キャップを開けると白いガスがでます。
希釈液を作るときに、そのガスを少なから吸い込んでいるのでは?と思ったんです。
もちろん注意はしてますが、もし少しでも体内にガスが入っているとしたら、将来の自分の体に影響が出るかもと思ったてやめました。
皆さんも、健康を一番に考えて洗剤選びと掃除をされてくださいね。