次亜塩素酸ナトリウムのポンプ注入でつきもののトラブルとその対策
こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です。
公衆浴場業の皆さん、「薬注ポンプ」のトラブルにお困りではないですか?
薬注ポンプとは、液体の塩素剤をお風呂に注入させるために使うポンプで、循環式浴槽の公衆浴場やプールなどで、塩素管理によく使われている小型のポンプです。
使っている方ならお分かりかと思いますが、その薬注ポンプってほんとトラブルが多いんですよね。
そこで今回は、薬注ポンプのトラブルの原因とその対策についてのお話をしたいと思います!
次亜塩素酸ナトリウム用の薬注ポンプのトラブルの原因とは?
塩素剤には色んな種類がありますが、薬注ポンプを使う塩素剤のほぼ全てが「次亜塩素酸ナトリウム」です。
次亜塩素酸ナトリウムは液体ですので、小型のポンプを用いて注入します。
しかし、そのポンプで次亜塩素酸ナトリウムを注入する方法は、とてもトラブルが多く、メンテをしっかり行わなければ故障につながります。
トラブルの大きな原因が「塩」と「ガス」です。
次亜塩素酸ナトリウムには、必ず塩分が含まれているためポンプで注入し続けていると、やがてポンプの接液部や配管への注入口(逆止弁)などに塩分がたまり、詰まってしまい次亜塩素酸ナトリウムが注入できなくなる事があります。
また、不安定な次亜塩素酸ナトリウムは、とても分解されやすく、塩素ガスを放出しやすものなのでその「ガス」がポンプ内部にたまると塩素剤が注入が出来なくなります。
トラブルを少なくするための対策法
そこで、塩とガスによるトラブルを少しでも少なくする方法をお伝えしたいと思います。
その方法とは、次亜塩素酸ナトリウムを原液で使用せず希釈し、ポンプの吐出し量を多くして使用するといいんですよね。
ただし、注意が2つあります。
1つは、あまり希釈し過ぎないことです。
希釈しすぎるとpHが高くなり塩素が不安定になり飛びやすくなります。
2つ目は.希釈する際の水を選ぶことです。
必ず精製水を使うようにしてください。
次亜塩素酸ナトリウムは非常に不安定ですので、水道水で希釈すると水道水に含まれているわずかな不純物に次亜塩素酸ナトリウムが反応し、ガスや塩が出やすくなってしまうんです。
よりトラブルを少なくするための品選び
そして、次亜塩素酸ナトリウムの塩によるトラブルの対策には品選びも重要です。
実は、次亜塩素酸ナトリウムには、塩の発生が少ない「低食塩次亜塩素酸ナトリウム」というものがあります。
もし、「低食塩」を使用していないのなら先ずは、「低食塩」に変更することですね。
次亜塩素酸ナトリウムを、バックイボックスで購入されているのでしたら、外箱の表記を確認すると、低食塩なのかが簡単に確認できます。
でもポリ缶で購入されている場合、確認できない場合が多いので購入先に確認する必要があります。
もし低食塩次亜塩素酸ナトリウムでもトラブルが続くようなら、塩素剤を替えて薬注ポンプを使わないという考えもアリです。
そのあたりについて詳しく書いたのがコチラの記事です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
循環式浴槽をしっかり管理し続けるのってほんと大変だと思います。
循環濾過装置のメンテも必要だし、レジオネラ菌対策もしないといけませんからね。
さらに循環式温泉だともっと大変になりますよね。
アルカリ温泉だと塩素消毒が効きにくかったりしますし、それとなんと言っても温泉スケールがガンコすぎて浴場清掃が大変です。
そんな大変な管理を毎日されている公衆浴場業の皆さまに、これからもお役に立てる情報を発信していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします!