洗剤選びに役立つ洗剤に含まれている成分の話
こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です。
皆さん、自分が求めている理想の洗剤と出会うことができてますか?
もし出会えていないのなら、もしかしら洗剤の選びを間違えているのかもしれませんね。
例えば、パッケージの表面の情報だけで選んでいるとか。
パッケージの表面に書いているのは良いことばかりなので、実は洗剤選びの参考にはあまりならないんです。
ではどこを見て選んだらいいのか?
それはパッケージ裏面の成分欄です!
ということで今回は、洗剤にはどんな成分が含まれているかをわかりやすく説明します!
水
先ずは水です。
水は、粉末洗剤には入っていませんが、液体洗剤には必ず入っていますよね。
でも成分欄には表記さないものなので、説明する必要がないとも思ったのですが、水も立派な洗浄成分のひとつなんです。
しかも液体洗剤なら、ほとんどのものがどんな成分よりも多く入っていますかね。
ちなみに、水が多く入ってればいるほど洗浄成分が薄まった状態なので、全く薄まっていない粉末洗剤と比べるとコスパは悪いということになりますよね。
合成界面活性剤
実は「洗剤」には必ず、「合成界面活性剤」が含まれています。
「洗剤」とは「合成界面活性剤で落とすもの」のことで、これは家庭用品品質表示法のルールで決まっていることなんです。
だから「合成界面活性剤」が入っていない「洗剤」は世の中に存在しません。
「でもアルカリ電解水には合成界面活性剤が入ってないですよね?」
と思われた皆さん、アルカリ電解水は「洗剤」ではくて「洗浄剤」なんです。
「洗剤」と「洗浄剤」もまた家庭用品品質表示法のルールでちゃんと分類されているんんです。
水軟化剤
水道水に含まれている硬度分(金属イオン)は、合成界面活性剤と結びつくと洗浄力が落ちてしまいます。
なので硬度分の影響を受けない方が、汚れが良く落ちるんですよね。
地域によって水道水に含まれている硬度分が高い地域もあれば低い地域もあります。
だからと言って、地域によって汚れ落ちが違うのでは良い洗剤とは言えません。
そうならないように洗剤に入れているのが「水軟化剤」です。
もし硬度分の高い水道水だとしても、洗剤に水軟化剤が入っていれば軟水化されるので、合成界面活性剤を働きやすい状態になります。
代表的な水軟化剤は、「アルミノケイ酸塩」や「ポリカルボン酸塩」などです。
もし硬水地域にお住まいなら、洗濯洗剤は水軟化剤が入っているものを選んだ方がいいでしょうね。
たくさんの水道水と一緒に使うので影響を受けやすいですからね。
でも大手の洗濯洗剤なら必ず入っていると思いますけどね。
金属封鎖剤
洗剤を製造するときに、機械からから鉄分などの金属が溶け出してしまうことがあります。
その解け出た金属が洗剤の成分を反応すると、変色したり沈殿物ができたり安定した品質を保つことができません。
そうならないように使うのが金属封鎖剤です。
キレート剤ともいいます。
代表的な金属封鎖剤は、グルコン酸ナトリウムやEDTA(エチレンジアミンアトラ酢酸)などです。
バスクリーナーに入れると、水垢や石鹸カスを多少落とせたり予防できたりもします。
アルカリ剤
「アルカリ剤」には、油汚れを「ケン化」させたり、たんぱく質汚れを分解させる働き(タンパク質変成作用)があります。
アルカリ度が強ければ強いほど、その働きが良くなります。
なので油汚れ用の洗剤や、粉末の洗濯洗剤に良く使われます。
最近のバスクリーナーにも使われるものが増えてきました。
一般向けの洗剤によく使われるアルカリ剤が「炭酸ナトリウム」や「ケイ酸ナトリウム」です。
「なまはげ油汚れ用」にも「ケイ酸ナトリウム」が使われています。
洗浄力重視の業務用の洗剤には、「水酸化カリウム」や「水酸化ナトリウム」など強いアルカリ性のものがよく使われます。
「赤天狗」には「水酸化ナトリウム」、「白天狗」には「水酸化カリウム」が使われています。
再付着防止剤
再付着防止剤は、一度落ちた汚れがまた付着しないようにするために使用します。
分散剤ともいいます。
例えば洗濯洗剤に入っていると、繊維と汚れにくっついて電気反発力を高めたり汚れを洗浄液中に安定させたりして、一度生地から離れた汚れでまた生地が汚れてしまうのを防ぎます。
また、一度離れた汚れが生地に戻らないようにする以外にも、界面活性剤や漂白剤では分解できない汚れを分解して落とすのではなく生地から引き離して落としてくれたりします。
「茂木和哉泥汚れ落とし」で泥汚れが落ちる理由の1つも「再付着防止剤」が含まれているからなんです。
代表的な再付着防止剤には、リン酸ナトリウムやポリアクリル酸ナトリウムやカルボン酸ナトリウムなどです。
リン酸ナトリウムが入っている洗剤を、「有リン洗剤」と言います。
泡調整剤
泡調整剤は、
・泡持ちを良くするための泡安定剤
・泡立ちをよくするための起泡剤
・起泡力を抑える抑泡剤
の3つに分けられます。
泡安定剤としては脂肪酸ジアタノールアミドなどの非イオン界面活性剤がよく使われます。
起泡剤には、泡立ち豊な界面活性剤やメタキシレンスルホン酸ソーダが使われます。
抑泡剤には、石鹸やアルコールなどが使われます。
石鹸は本来泡立ち豊な合成界面活性剤なのですが、洗浄剤にカルシウムイオンが含まれている場合はあえて反応させ金属石けんを発生させ泡を抑えます。
洗剤は用途によって泡立ち豊かで泡に持久力があったがいい場合もあれば、泡立ちはそれほど必要なく流すと直ぐに消えてなくなる方がいい場合もあります。
用途に応じて最適な泡の状態を作るために必要なのが「泡調整剤」なんです。
溶剤
皮脂汚れや油汚れに有効な洗浄成分は、「アルカリ剤」や「合成界面活性剤剤」だけではありません。
「溶剤」も、とっても有効です。
掃除せずにほったらかしにした油汚れは酸化して黄ばみ、やがて樹脂化してガンコになります。
そんなガンコになった油汚れを少しでもラクに落としたいなら「溶剤」が配合されている洗剤を使うといいですよ。
溶剤が入っている洗剤は、浸透力が高いですからね。
「なまはげ油汚れ用」を使えばガンコな油汚れでもラクに落とせるのも、アルカリ剤と合成界面活性剤に加えて、溶剤がたっぷり含まれているからなんです。
代表的な溶剤として、「なまはげ油汚れ用」に含まれているブチルカルビトールなどのグリコールエーテル系の溶剤や「橙の雫」に含まれているオレンジオイルから採れるD-リモネンなどがあります。
「橙の雫」は、D−リモネンが高配合なので、油性ペンやクレヨン、ボールペンなど「油性汚れ」だってスルッと落とせてしまうんです。
酵素
酵素は、つけおき洗浄で高い効果を発揮するのが特徴です。
でも冷たい水ではほどんと効きません。
酵素が最も効果を発揮するのはお風呂ぐらいの温度のお湯です。
酵素の種類は、
プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)
リパーゼ(脂質分解酵素)
アミラーゼ(デンプン分解酵素)
セルラーゼ(繊維素分解酵素)
の4つがあります。
粉末タイプの洗濯洗剤によく使われますよね。
「4つの酵素配合」とか「酵素増量」とかうたってますが、配合量は極々わずかなんです。
それでもちゃんとお湯で使えば効きがよくなるのですが、「茂木和哉のつけ置き洗いシリーズ」には、酵素を1種類に絞って、一般的な洗濯洗剤と比べ物にならないぐらい
たっぷり配合しています。
例えば、「茂木和哉皮脂汚れ落とし」には、蛋白質分解酵素のプロテアーゼが高配合されているので、道着のガンコな汚れだって落とせるわけです。
蛍光増白剤
染料の一種である蛍光増白剤は、紫外線に当たると青紫色を発光し黄色味を帯びたものが白く見える働きがあります。
言い方を変えると、落としきれない汚れを白くなったように見せかけるようにする染料のことです。
また、蛍光増白剤は、皮膚刺激やアレルギー反応を起こすことがあります。
なので肌の弱い方やアトピーの方は注意が必要ですよね。
漂白剤
漂白剤は、大きく分けて
・酸化型漂白剤
・還元型漂白剤
の2つに分けられます。
よく耳にする
・塩素系漂白剤
・酸素系漂白剤は
は酸化型漂白剤に含まれます。
酸化型漂白剤は、その名の通り酸化の力を利用し色素を壊し白くさせます。
また、酸化力は細菌や微生物を除菌することもできます。
そして、悪臭放つ菌を除菌することで消臭ができます。
一般的な、酸化型漂白剤やカビ取り剤のよく使われるのが塩素系の「次亜塩素酸ナトリウム」と言われる液体塩素剤です。
「茂木和哉カビとりジェルスプレー」にも使っています。
ほとんど使われることがありませんが、塩素系には中性タイプの顆粒塩素剤「ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム」と言われるものがあります。
とっても使いやすくて便利なのに、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムのカビ取り剤がほとんどないので自分で作ったんです。
それが「黒木真白」です。
酸素系漂白剤は、酸化力が塩素系漂白剤ほどではないので、色柄衣類の漂白剤に使われたり、洗濯洗剤に除菌消臭の目的でよく使われます。
代表的な酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムと過酸化水素水です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
自分の求めている洗剤を確実に選ぶためには、正直今回の情報だけではちょっと物足りないのかもしれません。
しかし基本的な部分は抑えて解説しましたので、参考にはなるはずです。
ぜひ洗剤選びに役立てていただけたら嬉しいです!