液体洗剤と粉末洗剤のメリットとデメリットについて

茂木 和哉

こんにちは!茂木和哉です。

清掃業の皆さま、公衆浴場業の皆さま、液体洗剤と粉末洗剤だったらどっちが好きですか?

私は粉末洗剤が好きで、清掃業をしていた時代は好んで粉末洗剤を使っていました。

なぜ粉末洗剤を使っていたのかというと、液体洗剤のメリットより粉末洗剤のメリットを大きく感じていたからです。

ということで、今回は粉末洗剤の液体洗剤のメリットとデメリットについてお話ししようと思います!

粉末洗剤のメリット

粉末洗剤のメリットは、
・高温の洗浄液が簡単に作れる。
・高濃度の洗浄液が作れる。
・コスパが良い。
の3点です。

先ず、高温の洗浄液が簡単に作れる点についてですが、粉末の洗剤は基本溶かして使いますよね?

液体洗剤にも水で希釈して使うものもありますが、もしあったとしても粉末洗剤とでは希釈割合が全然違います。

粉末洗剤の方が、かなり薄めて使うことができるんです。

この点は他のメリットにも繋がるのですが、洗浄成分の濃度が液体洗剤より、だいぶ高いということなんですよね。

なので希釈液を作るときに、水でなくお湯を使うと希釈割合が大きいだけに、粉末洗剤は液体洗剤より熱い洗浄液を作ることができます。

もし希釈の必要がない原液使用の液体洗剤を温めるとなると、ヒーターを使ったり湯煎したりしないといけないので、かなり手間と時間がかかります。

なぜ洗浄液を熱く作った方がいいのかというと汚れ落ちがいいからです。

全ての汚れに対して言えることではありませんが、キッチンの油汚れや衣類の皮脂汚れは熱ければ熱いほど効果的です。

なぜかというと、油脂は「熱」に弱いからです。

だから食洗機はお湯で洗いますし、洗濯機洗いもお湯を使った方が汚れ落ちがいいけです。

それとクエン酸やシュウ酸が含まれた粉末洗剤もお湯で希釈液を作った方が、水垢や金属石鹸が良く落ちるんですよね。

ここについては私が現場に入っていた頃に感じていたことなので、もしかしたら勘違いなのかもしれません(笑)

理由も分からないんです。もしわかる方がいたら教えてください。

次は、高温の洗浄液が作れるという点ですが、これも粉末洗剤が液体洗剤より洗浄成分が濃いからこそのメリットなんです。

液体洗剤は、ほとんどのものが約70%以上は水で、洗浄成分は残りの30%ぐらいです。

一方で、粉末洗剤はほどんどのものが洗浄成分100%です。

中には硫酸ナトリウム(芒硝)を増量剤として使っている粉末洗剤もありますけど、それでも粉末洗剤の方が断然濃度が高めです。

なので濃く溶かして洗浄液を作ると、液体洗剤より濃い洗浄液が作れたりすることがあります。

例えば粉末タイプの塩素系カビ落とし剤「黒木真白」なら、塩素濃度が12%液を高濃度な希釈液を作ることができます。

これは黒木真白の塩素濃度がかなり高い(60%)からできることで、液体タイプの塩素系カビ落とし剤だとそうは行きません。

最後にコスパが良い点についてですが、これれも洗浄成分の濃度が高いから言えることなのですが、液体洗剤よりかなり薄めて洗浄液を作れる分、コスパもいいんです。

例えば、先ほどご紹介しました「黒木真白」の4kg入りで、一般的な塩素系漂白剤と同じぐらいの塩素濃度5.5%の希釈液を100g作るしたら、たった16円で出来てしまいます。

以上の3点が大きなメリットですが、他にも液体洗剤と比べ軽量&省スペースで、さらに移動時の液漏れ、使用時の液はねの心配がない点などがあります。

粉末洗剤のデメリット

粉末洗剤のデメリットは、
・固まりやすい。
・溶かす必要がある。
・あまりない。
の3点です。

先ずは、固まりやすい点についてですが、そもそも固まりやすい洗剤もありますし、保管が悪くて固まってしまう場合もあります。

いずれにしても固まってしまってはそのまま使えないので、砕いたり潰したりする手間が必要になります。

その手間がデメリットとなりますよね。

固まる原因は湿気によるものなので、保管しておく場合は、湿度の高い場所に置かないことが基本です。

それと粉末洗剤は袋入りのタイプが多いのですが、できるだけ空気を抜いてしっかりヒモで縛って保管しおいた方がいいですよ。

次は溶かす必要がある点についてでですが、粉末洗剤によって簡単に溶けるものもあれば、溶けにくものもあります。

いずれにしても溶かす手間はデメリットですよね。

特に冬の水道水が冷たい時期に、ただでさえ溶けにくい粉末洗剤と溶かすとなると、さらに時間がかかってしまいますしね。

という感じで、ここまで粉末洗剤の2つのデメリットをご紹介したのですが、私はそれほど大きなデメリットとは思っていないんですよね。

むしろ先にお伝えしたメリットの方が大きくて、このぐらいのデメリットなら我慢できてしまいます。

だから現場に入っていた頃は、粉末洗剤を好んで使っていたんですが、液体洗剤派の皆さんも一度使いたくなったのではないでしょうか?

でも粉末洗剤って、液体洗剤ほど売っていないんですよね。

ここが3つ目のデメリットなのですが、なぜ売っていないのかというと、そもそもメーカーが作らないんです。

なぜかというと、私の経験から感じることは、
・粉末洗剤を作るときに使う混合機自体が入手困難。
・もし混合機をあったとしても高価。
・液体洗剤より売上につながらない。
の3点です。

そもそも混合機自体がほんとないんですよね。

さらに作りたい洗剤や製造量など自分の条件にピッタリあったものとなるとなおさら無いです。

そレト粉末洗剤はコスパがいいとお伝えしましたが、逆にメーカー側からしたら作るのが大変でコスパは悪いんですよね。

さらにリピート間隔が長いし、液体洗剤を比べると売上につながりにくいんです。

液体洗剤のメリット

液体洗剤のメリットは、
・手軽に使える。
・泡洗浄の最適。
・種類が豊富。
の3つです。

手軽に使える点は、粉末洗剤を相反する点になりますが、粉末洗剤のように溶かす手間がないし、原液で使えば希釈する手間もありませんからね。

泡洗浄に最適という点は、スプレーボトルに入れて使えば手軽に泡が出せますし、高圧洗浄機や噴霧器でも泡を簡単に作ることができます。

しかし粉末洗剤は、スプレーや高圧洗浄機、噴霧器で使う事を前提に作られているものはほとんどないので、もしそれらを使ったとしてもいい感じの泡にならないケースが多いんです。

さらに溶け残りがあると詰まったりするので故障の原因にも繋がりますしね。

液体洗剤のデメリット

液体洗剤のデメリットは、
・コスパが悪い。
・重いし場所を取る。
・ロスが大きい。
の3つです。

重いし場所を取る点については、あくまでも粉末洗剤と比べた場合の話ですが、どうしても液体洗剤の方が洗浄成分の濃度が低い分、使用量が多くなるのでサイズが大きくなりがちです。

先ほど紹介した黒木真白は、普通の塩素系漂白剤より塩素濃度が約10倍高いので、黒木真白1.8kgと普通の塩素系漂白剤18kgが同じです。

比べるとだいぶコンパクトですよね。

ロスが大きい点は、特に業務用洗剤にありがちなのですが、サイズが大きい業務用洗剤は使うときに小さな容器に入れて使うわけですが、そのときこぼしてしまうことがよくあるんです。

手押しポンプやじょうごを使うといいのはわかっているけれど、面倒なのでついついそのまま小分けしてこぼしてしまうんですよね。

それと手押しポンプやじょうごを使ったとしてもこぼしてしまうこともあるんですよね。

また縦長容器の液体洗剤によくありがちなのですが、現場に車で向かっている途中に容器を倒してこぼしてしまうことってありませんか?

私はよくありました。

新品なら未開封状態なので倒れてもこぼれることは無いのですが、一度使ったものはいくら硬くキャップを締めても倒すとこぼれてしまうことがあるんです。

もし塩素系や酸性洗剤をこぼしてしまうと、車がサビてしまうのでロスどころの話ではなくなります。

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は清掃業の皆さまや、公衆浴場業の皆さまが日々使っている業務用洗剤について、私が感じていたメリットデメリットを紹介しました。

なので一般向けの洗剤は場合は該当しなの点もあります。

また各項目で大きな3つの点をご紹介しましたが、他にもメリットやデメリットはありますし、皆さんが感じるメリットやデメリットは、他にもあるかと思います。

今回の記事が皆さんの洗剤選びに参考に少しでもなれたら嬉しいです!

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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