「過炭酸ナトリウム」のマニアックトーク!【酸素系漂白剤】
こんにちは!酸素系漂白剤研究家の茂木和哉(@motegikazuya)です(笑)
皆さん、洗濯に過炭酸ナトリウムはお使いですか?
ナチュラルクリーニング派の方ならお使いの方は多いと思いますが、そうでなくてもシミ抜きから消臭、除菌まで色々使えて便利な過炭酸ナトリウムですから、愛用者は多いと思います。
そんな過炭酸ナトリウム愛用者でも聞きたくないような、ちょっとマニアックな過炭酸ナトリウムトークを今回はしようと思います(笑)
実は色んなタイプがある「過炭酸ナトリウム」
過炭酸ナトリウムと一口に言っても我々洗剤メーカーが原料として購入するもには色んなタイプがあります。
例えば国内品のものや国外品のもの、酸素量の違いなどです。
国内品と国外品があるのことについては、イメージがつくと方もいるかと思いますが、酸素量も製造元で違いがあったりするんですよ。
なので「過炭酸ナトリウム100%」とうたっている商品でも、酸素量の多い方が効きが良いことになります。
でもそんな事より、過炭酸ナトリウムを効果的に知るうえで絶対知っておいた方が良い点があります。
それは、過炭酸ナトリウムには、粒が「コートされているもの」と「コートされていないもの」があると言うことです。
コートされていないものは、粗く扱うと粉が舞うのそーっと扱わないと咳き込んだりしてしまいますが、コート品ならその点は安心です。
でもそこも皆さんもイメージできるかと思います。
なにより皆さんに伝えたいのは、コートされているものとコートされていないものでは、効果的な使い方が全く別になるのです。
コートされていない過炭酸ナトリウムを効果的に使う方法
まずコートされていないものは、コートされていないので溶け方がコートされているものよりめちゃくちゃ早いです。
溶け方が早いと言うことは、溶けたそばから酸素が急激に発生し、それほど時間をかけずに酸素が出尽くしてしまいます。
その間わずか15分ぐらいです。
なので使う時に、使用方法をじっくり確認しながらお湯で丁寧に溶かしている時間なんてないんです!
お湯に過炭酸ナトリウムを入れたら大至急汚れと反応させないといけません。
正直「溶かす」必要はありません。
この事が分かれば、私がインスタで度々紹介している「茂木漬け」がなぜ、これまでの「お湯」→「過炭酸ナトリウム」→「洗濯物」の順番とは真逆の「洗濯物」→「過炭酸ナトリウム」→「お湯」の順に入れるのかが分かると思います。
コート有とコート無の違いについて
次にコートされているものですが、こっちはお湯に入れてから5分ほど経ってから酸素の出が良くなり始め、そこからグングン発生量を増やし1時間後には放出量がピークに到達します。
そしてそこからさらに1時間ほどピークが続き、2時間かけて徐々に放出量は減っていきます。
図にするとこんな感じです。
コート無しと比べると凄い差ですよね?
だってコート無しは、15分で酸素を全部出尽くすのに対し、コート有は全部出し尽くすのに4時間もかかるわけですから。
この違いが分かれば、どうやって使えば効果的かが分かるはずです。
そうです、2時間以上は最低つけ置きした方がいいんです!
もちろん「茂木漬け」の方が効きが良いですよ。
でも漂白効果が高くなる分、色柄物の色落ちには注意しなければなりません。
物によっては普通の使い方では色落ちしなかったのに色落ちする場合もありますから。
もし色落ちが気になる場合は、普通の使い方で使ってください。
繰り返しになりますが、その時は丁寧に溶かすなってことはしなくていいので、お湯に入れたら大至急洗濯物を入れてくださいね。
一気に酸素が出てしまいますので。
コート有は、その点ゆっくり目で作業してもいいのですが、やはり急いだほう効果的ですし、茂木漬けもコート無しほどではありませんが、普通に使うより効果的です。
コートされている過炭酸ナトリウムの方がオススメ
コート有とコート無、どっちがオススメかと言うと、断然コート有りの方です。
粉が舞わないので扱いやすいと言う点もありますが、じっくりしっかり酸素を汚れにアプローチできるコート有の方がオススメです。
コート有か無しかを見極める方法は、過炭酸ナトリウム100%品であれば簡単に見分けがつきます。
だって粉が舞うコート無しに対してコート有は粉が舞いませんからね。
でも確認するには買って確かめる必要がありますね…
なのでコート有の商品を1つ紹介しておきます。
私が作った商品なので間違いないです(笑)
過炭酸ナトリウムだけでなく、他の洗浄成分も配合された酸素系漂白剤でコート有か無しかを判断するのは、買った後でも確かめるのはかなり難しいです。
ちなみに洗剤オタクの私は、粉を見るだけで過炭酸ナトリウムがコート有か無しかだけでなく、他の洗浄成分もほぼほぼわかりますけどね(笑)
最後に
いかがでしたでしょうか?
過炭酸ナトリウム100%品でも過炭酸ナトリウム以外の洗浄成分を配合した酸素系漂白剤でも、普通は過炭酸ナトリウムは基本1種類しか配合していないんですよね。
でももし、コート無しとコート有の2種類の過炭酸ナトリウムを入れている過炭酸ナトリウムがあったとしたら面白いと思いませんか?
かなり効きが良くなると思うんですよね。
なぜかと言うと、つけ置き始めから終わりまで汚れに対して、多くの酸素が五月雨式に継続してアプローチし続けてくれるからです。
序盤はコート無しの過炭酸ナトリウムが全力で攻め、コート無しが燃え尽きた中盤から今度はコート有の過炭酸ナトリウムが終盤まで全力で攻撃してくれます。
酸素の攻撃を休むことなく五月雨式に攻撃し続けるわけですからそれは効きますよね。
成分表記だけ見ると同じ「過炭酸ナトリウム」なのですが、なぜか効きがいい過炭酸ナトリウム。
マニア好みで面白いですよね(笑)
ということで、実は作ろうと思っているんです。
でも正直、2種類入れるのってかなり大変なんですよ。
だって2種類を混ぜて詰めないといけないので製造の手間がかかって原価が高くなるし、工場では2種類の在庫を持たないといけないし、1種類にしてまとめて購入した方が安く買えるわけですから。
でもやってみたいんですよね。
できたらお伝えしますね。