「合成洗剤」と「石鹸』の違いを常識が変わるぐらい詳しく解説します!
こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です。
皆さん、食器洗いや洗濯をする時ははどんな洗剤を使ってますか?
それとも洗剤ではなく石鹸をお使いですか?
我が家では食器洗いにキュキュットをよく使ってます。
でもキュキュットを使うのは油汚れがひどい時だけで、メインとして使っているのはコチラ液体石鹸です。
洗濯によく使っているアタックゼロで、石鹸は使ってません。
こんな感じで「洗剤」や「石鹸」ってとても身近なものですが、その2つの違いを詳しく知ってますか?
漠然とは知っててもちゃんと違いがわかる方って、そんなにいような気がします。
そこで今回は、洗剤とはどんなものなのか?石鹸とはどんなものなのか?
私が詳しく解説していきます!
洗剤ってそもそもどんなものなの?
先ずは、「洗剤」には正式名称がありまして、正式には「合成洗剤」と言います。
合成洗剤と聞くとちょっと怖いですよね。
でもオーガニック洗剤と聞くと怖さは全く感じないどことか優しいイメージですよね。
でも、「オーガニック洗剤」=「合成洗剤」ですからね。
で、「合成洗剤」とは、汚れを落とす主な働きに「合成界面活性剤」が使われているものの事を言うんです。
実は石鹸も合成界面活性剤です!
ここで一旦ちゃんとお伝えしなくてはいけないのですが、実は「石鹸」も合成界面活性剤って事です。
知ってましたか?
きっと知らない方が多いと思います。
と言うのも、家庭用品品質表示法のルールで、石鹸は別物扱いにされていて、パッケージに分けて表記しなければいけないようになっています。
だから「石鹸」が「合成界面活性剤」だと思っている人は少ないと思います。
なので先ほどの「合成洗剤」を正確に言うなら、汚れを落とす主な働きに石鹸以外の「合成界面活性剤」が使われているものとなります。
もっと詳しく言うなら、石鹸以外の合成界面活性剤の割合が、洗濯洗剤の場合は30%以上、食器洗剤の場合は40%以上となります。
もう合成洗剤が石鹸より安全だなんて言えない。
ちなみに石鹸が他の合成界面活性剤と別物扱いされているのは、石鹸の他の合成界面活性剤より安全だからと言うことではありません。
だって石鹸より安全性が高い合成界面活性剤はたくさんありますから。
もちろん石鹸より安全性が低いものだってたくさんあるので、合成洗剤や合成界面活性剤をひとまとめにして、危険だと判断するのはやめてくださいね。
でも石鹸の安全性を信じて疑わない方は、この点について反論したくなるかも知れません。
例えば、食器洗いに使うにしても洗濯に使うにしても、合成洗剤の使用量は石鹸と比べだいぶ少ない。
少量で汚れを落とす事ができる合成洗剤の方が毒性が高いのでは?
そんな事を思っている方もおられるかも知れません。
でもそこだけで毒性の強さを判断するのってちょっと違いますね。
なぜかと言うと、そもそも石鹸の使用量が多くなるのは、石鹸が水道水に含まれているミネラル分や汚れ、水量に影響されるからなんですよね。
逆に合成洗剤は、それらに影響を受けないので少なくて済むんです。
少なくて済むと言うとは、石鹸より排水量も少なくてすみますよね。
となると果たして…
この部分は後ほど詳しくお話ししたいと思います。
合成洗剤と石鹸の作り方
合成界面活性剤は何から作られるかと言うと、石油やアルコールだったり、動物や植物の油(牛脂やヤシ油など)から作られます。
できた合成界面活性剤に、汚れを落とすのを助けたり使いやすくする成分や、pH調整剤、防腐剤、香料、着色料いろいろな成分を加えられて合成洗剤が出来ます。
食器洗い用などは、手肌への刺激を少しでも抑えるために、pH調整剤で基本中性に合わせてます。
でも手肌にほとんど触れる事がない油汚れ洗剤は、手肌の影響をそれほど考えなくて良いので、洗浄力を重視してアルカリ性にしているものが大半です。
石鹸は、合成洗剤と比べると作りがシンプルです。
原料となるのは大きく2つです。
1つは油脂です。
ヤシ油やオリーブオイルなどの植物油だったり、牛脂などの動物の油です。
その油に、もう1つの原料であるアルカリ剤を混ぜて作ります。
よく使われるアルカリ剤は、固形石鹸を作る場合は「水酸化ナトリウム」、液体石鹸だったら「水酸化カリウム」です。
どちらもとても強いアルカリ性なのですが、それらを油に混ぜて反応させる事を「ケン化」言います。
油汚れにアルカリ洗剤をかけると白くなりますよね。
それも「ケン化」してるんですよね。
石鹸の種類と用途
水酸化ナトリウムで作る固形石鹸は、「脂肪酸ナトリウム」と言います。
体洗い用や洗顔用としてよく使われますよね。
私も作って売ってますよ。
また、水酸化カリウムで作る液体石鹸は、「脂肪酸カリウム」と言いったり「カリ石鹸」を言ったりします。
体洗い用によくある泡石鹸がそれです。
私も作ってます!
さらに石鹸は、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムに安定化剤や着色料、香料など添加物を入れて作るものと、何も入れずに作る無添加石鹸、そして合成界面活性剤も混ぜて作る「複合石鹸」の3つに分けられます。
複合石鹸をもう少し詳しく説明すると、石鹸分と合成界面活性剤の配合比率のラインがちゃんとルールで決まっていて、台所用の場合は石鹸分60%以上、合成界面活性剤40%のもの、洗濯用の場合は石鹸分が70%以上、合成界面活性剤が30%未満のものとなってます。
3つの中で、最もイメージがいいのは無添加石鹸ですが、それぞれメリットとデメリットがあるので、必ずしも無添加石鹸の方が良いとは言えません。
石鹸が合成洗剤より環境に優しいとはもう言えない
それと石鹸は、環境中で微生物によって分解されやすく、水の中にすむ生物への影響が合成洗剤より少ないと言われ続けてきましたが、今はそんな事はないと私は思っています。
だって今の時代、下水道が普及して生活排水が川とか海に直接流れるなんて事は無くなりましたよね。
それと合成界面活性剤がずっと叩かれ続けてきた事で、一昔前より今よく使われている合成界面活性剤の方がだいぶ生分解性が良くなりました。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は、説明させていただいた「石鹸」は、洗濯用や食器洗い用の「石鹸」でして、手洗い用や洗顔用、全身洗い用などではありません。
本当は「石鹸」を一括りにして説明した方が、良かったのかも知れませんが、同じ石鹸でも洗濯用や食器洗い用は「家庭用品品質表示法」、手洗い用は洗顔用は「薬事法」と表記のルールが違うため、石鹸を一括りにして説明すると、私の作文力ではかえって分かりにくくなると思って今回は、洗濯用と食器洗い用に絞って説明させていただきました。
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