【これが真実】中性になった食器用洗剤ジョイの変更点を深掘り解説!
P&Gの食器用洗剤「ジョイW除菌」は、リニューアル後に液性が中性になりました。
今回は、リニューアル前後の変更点について深堀り解説をしていきます。
公式サイトなどを詳しくチェックしていきます!
- リニューアル後の公式サイトの内容解説
- リニューアル前後のpH比較
- 今回の疑問点
P&Gの食器洗い用洗剤「ジョイ」の深堀り解説を動画で見たい場合は、こちらの茂木和哉(@motegikazuya)さんのYouTube動画へどうぞ!
リニューアルしてから変わったこと
P&Gの「ジョイW除菌」がリニューアルしてから変わったのは、次の5つです。
- 中身の量が10ml減った
- キャッチコピーが変わった
- 液性が中性になった
- 界面活性剤の配合割合が2%減った
- 界面活性剤が3種類から4種類になった
気になるのは、界面活性剤の配合割合が減ったり、新たな界面活性剤としてアルキルグリコシドが増えたという点です。
公式のサイトを見てそういったところの内容につながる部分があるのか確認していきます。
リニューアル前後の5つの変更点については、こちらの記事をどうぞ!
公式サイトをチェック
気になる点①「黄金比ジョイ」
では、公式サイトをチェックしていきましょう。
まず、気になる点は「すすぎと洗浄力と除菌の3つが最高レベルの黄金比ジョイ」ということです。
除菌が加わってきたというところが、今のご時世だからでしょう。
コロナ以前はそこまで除菌を強く打ち出してきてるというところはあまりなかったような気はします。
すすぎや洗浄力については、新しい商品が出るたびに「過去最高」「1番すごい」というようなところを必ず入れてきているので、毎回のことだなという印象です。
毎回なので、正直どこまですごくなったのかもう分からないですよね。
気になる点②ヌメリがなくなった理由
公式サイトの気になる文章をピックアップします。
「一方で食器用洗剤の洗浄力と除菌の性能を担う界面活性剤は、元来ヌルヌルした性質の油由来の成分であることから、それらの性能を高めようと界面活性剤の配合を増やすと、ヌメリが残り、すすぎに時間がかかりやすいという課題がありました。そこでジョイは新たに糖由来の界面活性剤を最適な配合で加えた独自の新処方に改良することで、これまでの優れた洗浄力と除菌効果はそのままにヌメリを軽減し素早いすすぎも両立させました。」
(公式サイトから抜粋)
この内容は、リニューアル後の界面活性剤に、アルキルグリコシドが新たに入ったことと繋がっています。
まず、「油由来の界面活性剤から糖由来の界面活性剤」ということですが、糖由来の界面活性剤というのがアルキルグリコシドだと思います。
「それに変えたことによってヌメリが軽減された」と書かれており、確かにそうだと思いますが、ヌルヌル感がなくなるところに大きく繋がっているのが液性が中性になったからだと思います。
アルカリ側にいくほど、ヌルヌルした感じはあります。
液体石けんで食器を洗っている方だったら経験があると思いますが、慣れないと泡で洗っている時に手からすべってお皿を落としてしまうことが結構あります。
それは、石けんはアルカリ度が結構高いため、界面活性剤のヌルヌル感に加えて液性のヌルヌル感もあるためです。
よく温泉でも美人の湯と言われるアルカリ泉は、少しヌルっとした感じはありますよね。
このように、液性がアルカリ側にいくと、ヌルヌルします。
そのため、液性を中性に変えたことで、ヌメリが少なくなるという理由の方が多いのではないかと思います。
ただ、P&Gの方で「界面活性剤を変えたことで、ヌメリがなくなった」ということなので、それはそれで間違いないと思います!
また、「すすぎやすくなったのも界面活性剤を変えたから」ということみたいですが、それはどうなのでしょうか。
界面活性剤の配合割合が減ったので、その方が影響は大きいのではないかと思います。
いずれにしても、ヌルヌル感が少なくなり、泡切れが良くなったということみたいです。
そこに界面活性剤が変わったことが繋がっているということが分かりました。
気になる点③「独自の新処方」
あと気になったのは、アルキルグリコシドを新たに入れていることについての説明に、「独自の新処方」と書かれているという点です。
私も使ったことがある界面活性剤でそんなに珍しいものではないかなと思います。
そのため、どこが新処方なのかというところが気になります。
P&Gでは初めて食器用洗剤に使ってきたのか、もしくはほかの界面活性剤との組み合わせが珍しいのか、というところが気になるところです。
アルキルグリコシド自体はそんなに珍しいものではありません。
pHをチェック
では最後にpHを実際に測ってみます。
新タイプは中性、旧タイプは弱アルカリ性という表記です。
中性といっても振り幅はありますし、もちろん弱アルカリ性といっても振り幅はあります。
実際測ってみてどのくらいなのか気になるところなので、測っていきます。
早速、測定器で測っていきます!
左側が新タイプの「ジョイW除菌」、右側が旧タイプの「ジョイW除菌」です。
旧タイプのpHは7.7となりました。
たしかpH8以上が弱アルカリ性なので、弱アルカリ性ではありません。
もちろん誤差などもあると思いますが、今回測った数値は7.7ということで、弱アルカリというよりは中性の範囲内なのかなという数値です。
では、中性になった新タイプの方を測っていきます。
新タイプのpHは7.3でした。
中性のど真ん中が7なので、ほぼ中性です。
今回測った結果からいくと、旧タイプより新タイプは0.4中性側に振れているということになります。
誤差や測定器が良くなかったという可能性もありますが、測定器は定期的に校正しているため、測定器が狂っているということは考えられないと思います。
ある程度のプラスマイナス幅も含めて、弱アルカリ性にしていたのかもしれません。
今回の疑問点
液性を測ってみましたが、旧タイプの弱アルカリ性の方がpHがあまり高くなかったため、それほど差はありませんでした。
思っていた結果とは、少し違いました…
しかし、新タイプは中性の方にいっているので、手肌に対しては液性だけみると優しくなったのは間違いないと思います。
一方で洗浄力は液性だけ見るとその分弱くなっていると思います。
ただし、新たに界面活性剤が加わったり、新処方という形で打ち出しているので、P&Gが言っていることとすれば洗浄力については変わらないということでした。
界面活性剤の割合が2割減っているため、不思議というか正直納得できないところもあります。
また、界面活性剤の並びでは、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムが1番目にあります。
このアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムが減っているのか、減っているならどのくらい減っているのかというところは結構洗浄力に与える影響が大きいため、疑問として残りました。
ただ、変わってなかったとしても液性が中性になっているので洗浄力は弱めになっていると思います。
しかしP&Gいわく、洗浄力は変わらず、すすぎやすくなってヌメリも減ったということでした。
そこについてはアルキルグリコシドが入ったからということでしたが、シンプルに界面活性剤の配合が減ったからではないかと感じました。
まとめ
今回は、リニューアルしたP&G「ジョイ」の解説をしてみましたがいかがでしたでしょうか。
色々お話しさせていただきましたが、界面活性剤の専門家ではないため間違っていたり勘違いしている部分もあるかもしれません。
1番間違いないのは実際に使ってみてどうなのかです。
油汚れに使ってみて実際に洗浄力に変わりはないのか、すすぎやすさやヌルヌル感はどうなのかというところも、また実際に試してみようと思います。