洗剤講座

どう使い分ける?人気のバスクリーナー9品のpHを実際に計測!

nishiyama
のぞみ

こんにちは、のぞみです。

最近マグネシウム水の検証をするのにはまっていて、pHを測ったり、硬度の高さを調べたりしています。

その検証のため購入したものがこちら!「デジタルpH測定器」です。

デジタルpH測定器があるので、今回はお風呂用洗剤のpHを測ってみようかなと思います。

ちょっとマニアックな検証になってしまうのですが、どうしてpHが洗剤と関係あるのか?から、お話をしていきますね。

ちなみに今回参‌考‌に‌し‌た‌の‌は、‌こ‌ち‌ら‌の‌茂‌木‌和‌哉‌(‌‌@motegikazuya‌‌)‌さ‌ん‌の‌YouTube‌動‌画‌で‌す!

洗剤とpHの関係って?

お風呂用洗剤の洗浄力の高さを知る目安の1つに、「pHの高さ」があります。

主成分の界面活性剤はなにを使っているか?も、もちろん大切なのですが、それと同じくらい、場合によってはそれ以上に目安となるのがpH値です。

pHが高くアルカリ度が高いほど「皮脂汚れ」が落ちやすくなります。

一方、pHが低くて酸性度が強くなると「水垢・金属石けんカス」に対しての洗浄力が高くなります。

また、pHの高さは、素材を傷めるリスクやお肌に対しても影響してきます。

洗浄力や肌への優しさ、素材への影響度などいろんなものの判断材料になるので、結構pHって大事なポイントなんですよ~!

このデジタルpH測定器を買うまではリトマス試験紙を使ってpHを計測してきました。

場合によってはリトマス試験紙の方がpHを正確に測れたりすることもあるのですが、デジタルpH測定器は校正の手間があります。

また、もともと色がついているお風呂用洗剤だと、試験紙の色がちょっとわかりにくいんですよね。

今回はデジタルpH測定器を使いますので、数字がハッキリとでてきますね。

どんな結果になるのか、かなり楽しみです!

家庭用品表示法の液性について

測定をする前に、家庭用品表示法の液性について抑えておきましょう!

洗剤の液性には中性、弱アルカリ性、弱酸性などいろんな分類がありますね。

洗剤の表記については、家庭用品品質表示法で定められています。

pH11を超えるものがアルカリ性、pH11から11以下8以上弱アルカリ性、そして中性が8以下6以上のものです。

酸性側は、弱酸性が6未満3以上、酸性がpH3未満のものとなっています。

弱アルカリ性ひとつでみても、8から11と結構幅がありますよね!

今回はデジタルpH測定器を使って、その幅の中のどのくらいに位置するのか?を調べていこうと思います。

pHを計測するお風呂用洗剤9種類

まずは今回測定する、お風呂用の洗剤を順番に紹介していこうと思います。

バスマジックリンアルコールプラス

1つ目は花王さんの「バスマジックリンアルコールプラス」です。

「バスマジックリン」シリーズの新商品で、アルコールがプラスされています。

アルコールのはたらきによる除菌効果も期待できますが、皮脂汚れに対する効果も期待できます。

アルコールは溶剤のひとつですから、皮脂汚れに対する洗浄力があるんです!

ウタマロクリーナー

2つ目は「ウタマロクリーナー」です。

「バスマジックリン」と同じ中性のタイプの洗剤です。

主成分になっている界面活性剤は「アルキルベタイン」と書かれています。意外かもしれませんが、「バスマジックリン」の主成分も「アルキルベタイン」なんですよ~!

茂木さんが以前、「ウタマロクリーナー」を使ってお風呂掃除をしていましたね。

気になる方はこちらの動画をチェックしてみてくださいね♪

バスタブクレンジング

3つ目はライオンさんの「バスタブクレンジング」です。

これは今回の検証では絶対に外したくなくて、先ほどドラッグストアで新品を買ってきました!

バスタブクレンジング銀イオンプラス

4つ目は同じくライオンさんの「バスタブクレンジング銀イオンプラス」です。

同じじゃない?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「バスタブクレンジング」と「バスタブクレンジング銀イオンプラス」は実は主成分が違うみたいなんです。

普通の「バスタブクレンジング」の主成分を見ると「界面活性剤(3%ポリオキシエチレンアルキルエーテル)」と書かれています。

「バスタブクレンジング銀イオンプラス」の主成分を見ると「界面活性剤(3%アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム)」と書かれています。

界面活性剤のなかにも洗浄力が高いものとそうでないものがあって「バスタブクレンジング銀イオンプラス」に入っているアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムの方が、洗浄力が高いです。

主成分が違うので、同じ弱アルカリ性でもすこし違いがあるかも?と予想しています。

「バスタブクレンジング銀イオンプラス」は「バスタブクレンジング」が発売してしばらくしてから発売されましたね。

こちらの動画で茂木さんが詳しく解説してくれていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね~♪

おふろのルック

5つ目も同じくライオンさんの「おふろのルック」です。

実は「おふろのルック」は、以前は中性だったのですが、最近弱アルカリ性にリニューアルされたそうなんです。

界面活性剤も一緒に変わっていて、リニューアル前は「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」でしたが、リニューアル後は「アルキルスルホン酸ナトリウム」になりました。

ライオンさんから出ている他のお風呂用洗剤「バスタブクレンジング」シリーズと、pHに差があるのか、楽しみですね!

スクラビングバブル カビも防げるバスクリーナー

6つ目はジョンソンの「スクラビングバブル カビも防げるバスクリーナー」です。これはなんと液性の表記がアルカリ性なんです!

果たして数値的にはどのくらいアルカリ度が高いのか?とても気になりますね!

茂木和哉 バスタブ凸凹板用洗剤

7つ目は茂木和哉シリーズから「茂木和哉 バスタブ凸凹板用洗剤」です。

ボトルに記載されている液性は、弱アルカリ性です。

ほかの弱アルカリ性のバスクリーナーと比べたとき、どのくらい違いがあるのかが気になりますね。

お風呂用ティンクル

8つ目は「お風呂用ティンクル」です。

これはボトルには液性が弱酸性と書かれています。

花王やライオンといった大手メーカーさんが出しているバスクリーナーは、どれも中性か弱アルカリ性ですから、酸性のバスクリーナーはかなりレアなんですよ~!

酸性のバスクリーナーは、水垢や金属石けんカスへの洗浄力が期待できます。

弱酸性と言ってもそのなかで結構幅があるので、どんな数値が出るのか楽しみですね。

なまはげお風呂用

9つ目は茂木和哉シリーズの「なまはげお風呂用」です。

液性は酸性となっています。

酸性側のバスクリーナーは、「お風呂用ティンクル」と「なまはげお風呂用」の2つだけでしたね。

「なまはげお風呂用」にはパッケージに「混ぜるな危険 酸性タイプ」と大きく書かれています。

このことからも、かなり酸性度は高いんじゃないかな?と予想しています。

今回測定するバスクリーナー9つの名前、そしてボトルに書かれていた液性を並べてみました。

以上の9種類のバスクリーナーのpHを順番に計測していきます!

デジタルpH測定器でバスクリーナーのpHを測定

では早速、バスクリーナー9つのpHを計測していきましょう。

1つ目は「バスマジックリン」です。ボトルの表記での液性は「中性」でしたね。

洗剤にデジタルpH測定器をいれると……7.8です。

pHの真ん中(中性)が7ですので、弱アルカリ性によった中性ということになります。

2つ目は「ウタマロクリーナー」です。ボトルの表記での液性は「中性」でしたね。

洗剤に直接デジタルpH測定器を入れてみましたが、中身が減っていてうまく計測できませんでした。

一回コップにいれて測ってみますね。

ウタマロクリーナーのpHは……7.3でした!

3つ目は「バスタブクレンジング」です。ボトルの表記での液性は「弱アルカリ性」でしたね。

「バスタブクレンジング」のpHは……10.7と出ました!

4つ目は「バスタブクレンジング銀イオンプラス」です。これもボトルの表記での液性は「弱アルカリ性」でしたね。

「バスタブクレンジング銀イオンプラス」のpHは……10.8でした!

「バスタブクレンジング」よりも0.1だけアルカリ度が高いようです!

5つ目は「おふろのルック」です。ボトルの表記での液性は「弱アルカリ性」でしたね。しかも中性から弱アルカリ性にリニューアルされたという、期待のバスクリーナーです。

「おふろのルック」のpHは……10.6でした!

6つ目は茂木和哉シリーズの「茂木和哉 バスタブ凸凹板用洗剤」です。ボトルの表記での液性は「弱アルカリ性」でしたね。

「茂木和哉 バスタブ凸凹板用洗剤」も中身が減っていて、pH測定器が届かなかったので、コップにいれて計測します。

「茂木和哉 バスタブ凸凹板用洗剤」のpHは……8.6ですね!

ライオン勢の弱アルカリ性バスクリーナーは、pH11に近い弱アルカリ性でした。

「茂木和哉バスタブ凸凹床用洗剤」の場合は、同じ弱アルカリ性でも中性の方に近い弱アルカリ性なんですね。

7つ目は「スクラビングバブル」です。

「スクラビングバブル」はボトルには「アルカリ性」と書いてありましたが、pHは……10.7ですね。

アルカリ性と表記するならpH11を超えていかないといけないのですが……。

このpH測定器に間違いがなければ、液性のくくりは弱アルカリ性になるものです。

8つ目は「お風呂用ティンクル」です。ボトルの表記での液性は「弱酸性」でしたね。

「お風呂用ティンクル」のpHは……4.8でした!

最後の9つ目は「なまはげお風呂用」です。ボトルの表記での液性は「酸性」でしたね。

「なまはげお風呂用」も残りの液量が少ないので、コップに出してからpHを測っていきます。

「なまはげお風呂用」pHは……1.1です!

「混ぜるな危険」と書かれているだけあって、pHはかなり低いですね。

バスクリーナー9種類のpH測定結果は!?

というように、ここまで計測した結果を黒板にまとめてみました。

おもしろい結果になりましたね~!

同じ弱アルカリ性でも、中性より・アルカリよりがある

おもしろかったことの一つが、「弱アルカリ性」という表記でも、洗剤によって結構振り幅があることです。

弱アルカリ性のバスクリーナーは、ライオンさんの「バスタブクレンジング」シリーズ、「おふろのルック」、そして茂木和哉シリーズの「茂木和哉 バスタブ凸凹板用洗剤」でしたね。

pHの数値を見てみると、ライオンさんと茂木和哉シリーズとで結構差があることがわかりました!

アルカリ性は洗浄力が高いのですが、その分お肌や素材への刺激も強くなってしまいます。

そうなると、「安心安全」「お肌に優しい」「素材に優しい」というイメージが持たれやすいのは、アルカリ性よりも弱アルカリ性ですよね。

優しいイメージは守りつつ、でも洗浄力はギリギリまで上げたいという思いから、アルカリ性とはせずに弱アルカリ性としているのかもしれません。

ライオンさんはギリギリのラインを攻めている、ということが今回の検証結果から伺えます!

「スクラビングバブル」はアルカリ性?弱アルカリ性?

そして今回唯一のアルカリ性洗浄剤「スクラビングバブル」は、pHを計測したところ11をわずかに下回って10.7でしたね。

「弱アルカリ性」と書かれていた「バスタブクレンジング銀イオンプラス」よりもアルカリ度は0.1低いようです。

家庭用品品質表示法ではアルカリ性となるのはpHが11以上からですから……、pH10.7だと弱アルカリ性になってしまいます。

測定器がズレていた可能性もありますが……、検証の前に校正はしっかりと行っているので、大丈夫かとは思います。

11の誤差の範囲内だったためアルカリ性の表記にしています、ということかもしれませんね。

pHの数値はライオンさんの「バスタブクレンジング」シリーズ、「おふろのルック」と同じくらいですが、ジョンソン「スクラビングバブル」からはまた少し違った意図を感じます。

あえて「アルカリ性」と書くことで「お肌や素材に優しい」というイメージよりも「洗浄力の強さ」をアピールしたいのかなぁ、とも思いますね~!

酸性バスクリーナーはどんな風に使うべき?

酸性洗剤では、「お風呂用ティンクル」はpH4.8、「なまはげお風呂用」のpHは1.1でした。

先ほどお伝えしたように、酸性のバスクリーナーってとても珍しいんですよ。

花王さん、ライオンさんなどの大手メーカーさんは、中性や弱アルカリ性のバスクリーナーを出しています。

大手メーカーさんが出していないので、使うわたしたちにとっては嬉しいバスクリーナですよね~!

水垢対策・金属石鹸カス対策ができるバスクリーナーが欲しい!という方には、酸性バスクリーナーはおすすめしたいです。

たとえば水道水の硬度分が高めの地域にお住まいの方、髪や身体を石けんで洗っている、という方は、酸性バスクリーナーの「お風呂用ティンクル」を使ってみてもいいと思います♪

また、一番最後にご紹介した「なまはげお風呂用」は「お風呂用ティンクル」よりも酸性度が高かったですね。

ですが「なまはげお風呂用」は普段使い用のバスクリーナーではありません。

普段は中性や弱アルカリ性のバスクリーナーでお風呂掃除をして、水垢とか石けんカスが目立ってきたときに「なまはげお風呂用」を使う、というくらいがちょうどいいかなと思います。

酸性度が高いぶん、水垢・金属石けんカスへの効果はあるのですが、素材への影響も大きくなってしまいます。

普段は中性バスクリーナーでお掃除をして、1~2週間に一度「なまはげお風呂用」を使う、というのが茂木さんおすすめのお掃除法です!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はデジタルpH測定器を使って、バスクリーナー9つのpHを測定してみました。

パッケージに書いてあることよりも、もっと詳しく洗剤のことを知れたような気がします。

みなさんもバスクリーナーを選ぶときは、今回の記事を参考にしてもらえればと思います♪

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました。

またお会いしましょう~♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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