洗剤講座

花王の漂白剤「ハイター」シリーズの歴史や成分の違いを徹底解説

nishiyama
のぞみ

こんにちは、のぞみです。

衣類のシミ落としやカビ取り、除菌や消臭と頼れる洗剤「ハイター」。

どのお宅にも「ハイター」シリーズは、1つはあるのではないでしょうか?

今回は花王の漂白剤「ハイター」シリーズについて、歴史や成分など、ちょっとマニアックなところまでお話したいと思います!

「ハイター」は花王の登録商標

漂白剤といえばハイターというくらい、ブランド名が浸透していますよね。

この「ハイター」という名前は、花王が取っている商標なんです。

そして調べてみたところ、「ワイドハイター」「カビハイター」と、ハイターとつくものはほとんど花王で商標取得しています。

「ハイター」の商標がどこまで適応されるのかを見てみると、紙類やゴミ袋、文房具、さらには昆虫採集用具と、あまり漂白剤とは結びつかないものもあります。

ブランドイメージをしっかりと守りたい!という気持ちがここからわかりますね……!

「ハイター」の歴史

ところで「ハイター」がいつ頃からあったかご存じですか?

「ハイター」の前身は「花王ブリーチ」という塩素系漂白剤でした。

「花王ブリーチ」が販売されたのは1962年。この当時は花王以外にも、ツムラや資生堂からも塩素系漂白剤が販売されていたようです。

実は塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムが日本で使われるようになったのは、戦後になってからなんです。

戦後に牛乳加工品を食べるようになって、除菌・消臭が必要になったことがきっかけなんですって。

花王ではその後も「ベビーハイター」「ハイターE」など次々と漂白剤を作っていきました。

そして1990年頃になると、世の中では酸素系漂白剤も使われるようになっていきます。

塩素系の市場規模が小さくなったことから撤退していったブランドもありますが、「ハイター」はその時代も生き抜いて、いまでも愛されている洗剤になったようです!

「ハイター」シリーズの特徴は?

長い時代を通して、いろんな種類の「ハイター」が出ています。

つぎは「ハイター」シリーズをそれぞれみていきましょう!

次亜塩素酸ナトリウムが主成分の「ハイター」シリーズ

次亜塩素酸ナトリウムが主成分の「ハイター」シリーズには液体タイプ、泡タイプ、ジェルタイプとあります。

液体タイプは「キッチンハイター」や普通の衣類用「ハイター」があります。

水に薄めて使うので、ふきん等をつけ置き洗いしたいときには便利ですよね!

そして泡タイプには「キッチン泡ハイター」や「強力カビハイター」があります。

まな板やシンクの除菌、壁についたカビを取るときなど、液体タイプだとちょっと面倒……というときにはありがたいですよね。

カビ取りスプレーには「強力カビハイター」だけでなく「カビキラー」もありますが、のぞみ的には「強力カビハイター」がおすすめ!

というのも以前、茂木さんが泡の密着力テストをしてみたところ、花王の「強力カビハイター」のほうが壁に長くとどまっていたんです!

いくら塩素が濃くても汚れに密着していないとカビは取れませんから、茂木さんも「強力カビハイター」を使っているそうですよ。

そして泡タイプよりも密着力が高いのが、ジェルタイプの「トイレハイター」「パイプハイター高粘度ジェル」です。

とろみがついた洗浄剤が特徴ですね!

「トイレハイター」のほうが水酸化ナトリウムが少し多く入っていて、アルカリ度が高くなっているようですが、成分はほとんど同じです。

シアヌル酸が主成分の「ハイター」シリーズ

つぎはシアヌル酸が主成分の「ハイター」シリーズを見ていきましょう。

調べたところ「トイレハイター水ぎわ水底スッキリ」が錠剤タイプ、「強力カビハイター排水口スッキリ」が粉末タイプのようです。

先ほどの次亜塩素酸ナトリウムが主成分のものには、錠剤や粉末になっているものはありませんでしたよね。

実はこれは、シアヌル酸が主成分ということが関係しているんです。

市販されている漂白剤は、液体であれば主成分は次亜塩素酸ナトリウム、粉末や固形であればシアヌル酸の1つであるジクロロイソシアヌル酸ナトリウムがほとんどです。

次亜塩素酸ナトリウムと似ているものに、次亜塩素酸カルシウムという固形の塩素剤もあるのですが、かなり塩素臭が強く、水に溶けるとすぐに塩素出ていってしまうのでちょっと使いにくいんですよね……。

でもシアヌル酸の1つであるジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは、ジワジワと塩素が溶けていって使いやすいので、市販の固形塩素剤の多くで使われています。

非塩素系の「ハイター」シリーズ

そして塩素系ではない「ハイター」シリーズには「キッチンハイター除菌ヌメリとり」や「洗たく槽ハイター」があります。

「キッチンハイター除菌ヌメリとり」は排水口において使うものです。

商品ページにもしっかりと「塩素系非使用」と書かれています。

そして「洗たく槽ハイター」は主成分が過炭酸ナトリウムです。

「ハイター」シリーズなのに酸素系漂白剤なのは、ちょっと不思議ですよね。

花王では塩素系漂白剤は「ハイター」、酸素系漂白剤は「ワイドハイター」と分けてブランド展開をしていたのですが、どうやら最近は「ワイドハイター」シリーズが減っているようなんです。

食器用洗剤の「ワイドマジックリン」は中身の成分は全く同じままで「キュキュットつけ置き粉末」になりましたし、衣類用の「ワイドハイター」も「ワイドハイタークリアヒーロー」とリニューアルされ、パッケージのワイドハイターの文字もかなり小さくなっています。

もしかすると「ワイドハイター」のブランドがなくなるのかもしれませんね……!

まとめ

というように、花王の漂白剤「ハイター」シリーズについて詳しくお話をしてきました。

「ハイター」シリーズにはいろいろあるようですが、実は全種類揃えてしまうのはオススメしません。

塩素は成分が飛んでいきやすく、濃度が落ちると効果も落ちてしまいます。

できるだけフレッシュな状態で使えるように

・たくさんの種類を揃えない

・使い切れない量を買わない

ということを意識してみましょう!

特にキッチン用、トイレ用と用途で使い分けるのではなく、成分や洗剤のタイプで使い分けるといいですね。

例えば泡タイプの「強力カビハイター」1つあれば「キッチン泡ハイター」は必要ありません。

トイレ掃除でもペーパー湿布をすれば、泡タイプでもジェル並みの密着力になります!

「ハイター」の活用術については、以前動画でご紹介しているので、概要欄にリンクを貼っておきますね!

洗剤の特徴や上手な使い方を知っておけば、少ない種類の洗剤も十分なんですよ♪

みなさんの洗剤選びの参考になれば嬉しいです!

それでは、ここまで見てくださりありがとうございました。またお会いしましょう~♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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