「洗たくマグちゃん」汚れ落ちが良い声悪い声がある理由は?代用品は?
こんにちは、のぞみです。
2021年4月29日に「『洗たくマグちゃん』が消費者庁から指摘を受けた」というニュースが話題になりました。
その日に茂木さんがニュースについて解説をする動画を投稿してくれました。
今回はみなさんの反響や、その後の様子も踏まえて、茂木さんと一緒にお話をしていきたいと思います。
ちなみに今回参考にしたのは、こちらの茂木和哉(@motegikazuya)さんのYouTube動画です。
また、ニュースがでた当日にお話したことは、こちらの動画をご覧ください!
「洗たくマグちゃん」で問題になっていることは?
茂木さん、今回もよろしくお願いします!「洗たくマグちゃん」について取り上げた前回の動画は、かなり多くの反響をいただきましたね。
そうですね。今回のニュースで問題になっていることを、改めて整理しましょう。
まず、「洗たくマグちゃん」が消費者庁から指摘を受けたのは、パッケージや公式サイトに、洗浄力や消臭力を高く見せようとするためにウソの内容を記載していた、ということです。
洗浄力がまったくない、ということを指摘されたのではありません。
ここは誤解しないでおきたいですね。
「洗たくマグちゃん」と水との関係
前回の動画へのコメントにも「洗たくマグちゃんで汚れが落ちています!」というものがありました。
でもここで考えたいのが、本当に「洗たくマグちゃん」によるマグネシウム洗いの効果で汚れが落ちているのかどうか、です。
洗濯機のなかで水と衣類がグルグル回ることで、ある程度の汚れは物理的にはがれ落ちます。
わたしたちはつい「マグネシウムを使った洗濯」と「洗濯洗剤を使った洗濯」の洗浄力の比較をしてしまいますが、今回は「マグネシウムを使った洗濯」と「水だけでの洗濯」も比べる必要があります。
「洗たくマグちゃんで汚れが落ちている」とはいいつつ、本当は「水だけでの洗濯」とそんなに汚れ落ちは変わらないかもしれませんね。
だったらマグネシウムを入れなくても、水をお湯に変えたほうが皮脂汚れが落ちやすいかもしれません。
たしかに洗濯機でグルグルするだけである程度の汚れは落ちますからね。「水だけでの洗濯」の洗浄力を知らないとうまく比べられません。
でも、「水だけでの洗濯」よりも「マグネシウムを使った洗濯」のほうが少しは洗浄力が高いとは思います。
マグネシウムをいれることで、洗濯槽の水がアルカリ側に傾きます。
アルカリには油分・皮脂汚れを落とすはたらきがあるので、衣類についた汚れも少しは落ちていくと思います。
でもここで気になるのが、「洗たくマグちゃん」の使用量です。
「洗たくマグちゃん」の使用量である100グラムだとそんなにアルカリ度は高くなりません。
以前もお伝えしましたが、洗濯機にマグネシウムをいれて、洗濯槽水のpHがどのくらいになるのか?をテストした方がいらっしゃいます。
この動画によると、マグネシウム100グラムだと、pHは7.39、マグネシウム900グラムをいれてやっとpHが9.50になるようです。
pHが7.39だと、アルカリ性とは言えなさそうですね。
もちろん、水道水にも地域によって差がありますし、いろんな条件があるのでこのpHが絶対正しいとは言えません。
水道法で決められている基準のなかでも、水道水にはpHにふり幅があります。
一番pHが低いのは5.8、高いのは8.6だったかと思います。
弱アルカリ性はpHが8から11でしたね。水道水で8.6とは……洗剤だったら弱アルカリと書かないといけませんね!
そうです。水道水のなかにも、酸性に近い水、アルカリに近い水と幅があるんです。
なのでどんな水道水で洗濯をするか?で、汚れの落ち具合が変わってくるんですよ。
「洗たくマグちゃん」で汚れが落ちた人、落ちなかった人がいるのは水道水の性質も関係しているのかと思います。
「洗たくマグちゃん」と衣類の汚れの量との関係
「洗たくマグちゃん」で汚れが落ちるか落ちないかは、元々の衣類についている汚れの量にも関係します。
この汚れの量は、ご家庭によって変わってきます。
一般的に、小さいお子さんは皮脂の量が少なく、思春期になっていくと増えてきます。
成人でも男性は皮脂が多く、反対に女性は皮脂量が減っていきます。
汗をかく量だって人それぞれですよね。
そうすると、5歳くらいの小さいお子さん、デスクワーク中心で汗をあまりかかないお父さん、家にいることが多いお母さんの3人家族であれば、衣類についている汚れも多くありません。
でも運動部に入っていて毎日汗がぐっしょりのお子さん、外に出る仕事をしていて作業服が汗でぐっしょりのお父さんの服の洗濯、となると洗浄力が高いものでないと落ちませんね。
「洗たくマグちゃん」を使ってみて汚れが落ちたという人、落ちなかったという人がそれぞれいらっしゃるのは、このような家庭環境も関係していると思います。
汚れがたくさんついているのなら、洗浄力の高い成分でしっかりと洗う必要がありますからね。これはよ~くわかります!
「洗たくマグちゃん」でなくてもアルカリ洗濯はできる?
いずれにせよ、「洗たくマグちゃん」の汚れ落ちに満足しているのであればこのまま使い続けても問題ありません。
「洗たくマグちゃん」の洗浄力に満足していないのであれば、別の洗濯方法を試せばいいんです。
でも今回のニュースを受けて「汚れ落ちには満足しているけれど、パッケージに嘘の情報を書くところは使いたくない!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうですね……。そういった方はこれからどんなお洗濯をしていけばいいのでしょう?
「洗たくマグちゃん」は、アルカリのはたらきで汚れを落とす、という洗濯法でした。
だったら「洗たくマグちゃん」を使わなくても、アルカリによる洗濯はできます。
ナチュラルクリーニング素材でおなじみ「セスキ炭酸ソーダ」は、アルカリ度が9.8くらいあります。
重曹もアルカリ性ですが、アルカリ度は8.2くらいと低いので、セスキ炭酸ソーダのほうがいいですね。
「洗たくマグちゃん」が100グラムでpH7.3でしたから、もっとアルカリ度の高い洗濯をすることができます。
セスキ炭酸ソーダでも「洗たくマグちゃん」と同じくらい、もしくはそれ以上の効果を発揮してくれるんですね!
ただしセスキ炭酸ソーダは消耗品ですので、使い切ったら新しく買う必要があります。
「洗たくマグちゃん」は一回買ってしまえば、長く使えるものですから、その辺はデメリットになってしまいますね。
服のニオイを消すなら除菌やアルカリがおすすめ
「洗たくマグちゃん」は除菌やニオイの防止についても効果があると書かれていましたね。ニオイについて満足していた、という人はどうすれば良いのでしょうか?
正直なところ、マグネシウムの粒自体の除菌効果はそれほど高くありません。
「洗たくマグちゃん」のアルカリ度はそこまで高くありませんでしたが、ニオイへの効果はアルカリの働きかと思います。
だとすると、先ほどと同じようにセスキ炭酸ソーダを使う、もしくは弱アルカリ性の洗濯洗剤をつかうといった方法がいいと思います。
中性、弱アルカリ性などの液性は、洗濯洗剤のパッケージの裏を見ると、成分と一緒に書かれています。ぜひチェックしてみてください!
消臭について、前回はあまり触れませんでしたね。せっかくですので少しお話しておきましょう。
衣類のニオイの原因は大きくわけて2つ。
①菌の繁殖によるニオイと、②身体の酸性臭です。
①菌の繁殖によるニオイは、部屋干し臭がイメージできますね。
ニオイをだす雑菌が繁殖することが原因です。
これは除菌をして、菌の繁殖を抑えればいいですね。
②身体の酸性臭は、年齢を重ねるとでてくる加齢臭が代表的ですね。
身体からでるニオイは酸性のニオイなので、アルカリのもので中和することができます。
このことを「中和消臭」というんですよ。ちなみに漂白剤でニオイを消す洗濯法もありますが、これは酸化消臭となります。
洗剤選びの選択肢を増やし、メーカーは正しい情報を伝える努力を
……と、「洗たくマグちゃん」がいろいろと話題になっていますが、私個人としては、公式サイトやパッケージを正しい内容に修正したうえで復活をしてもらいたいと思っています。
というのも、同じく汚れを落とすものを作っている人間として、「洗たくマグちゃん」には期待しています。
洗濯洗剤や洗濯アイテムは、大手メーカーがものすごく強いんですよね。
これは洗濯に限らず、シャンプーやボディソープ、掃除用洗剤などほとんどの洗剤に言えると思います。
お店に行くと売り場には大手の洗剤ばかり売られています。
でもこれって買う人からすると、選択肢が少ないんですよね。私としては、もっと使う人の選択肢が増えてほしいと思っているんですよ。
少しわたしの話になってしまいますが、わたしは、いろんなタイプの石けんを作って販売しています。
固形石けんに液体石けん、さらに身体を洗う用だけでなく掃除用などいろんな種類の石けんを販売しています。
いまはネットだけでの販売ですが、これも「洗剤選びの選択肢をつくりたい」という想いで作っています。
たとえばボディーソープだったら、売り場には合成界面活性剤が主成分のものがほとんど。
お店によっては固形石けんがすこし置かれていますが、液体石けんは置いているところが少ないですよね。
洗濯洗剤も同じです。
大手が作っている合成界面活性剤が主成分のものがほとんどで、石けんのものは少しだけ。
でも他にも、セスキ炭酸ソーダをはじめとするナチュラルクリーニング素材もあります。
この「合成界面活性剤以外の選択肢」をもっともっと増やしていきたいと思っています。
その点でいうと、「洗たくマグちゃん」は合成洗剤でも石けんでもない新しい選択肢を作ってくれましたね。
いろいろ選択肢を選べたら、購入するわたしたちも汚れの落ち具合、コスト、手軽さなどいろんな視点で選べるようになりますね!
そうですね。そして同時にメーカーは真実をつたえる責任もあります。
買う人は選ぶときに、メリットデメリットをきちんと知っておきたいですよね。
合成界面活性剤のいいところ・悪いところ、石けんのいいところ・悪いところ、ほかにも香料、蛍光増白剤……と、メーガーはそれぞれのメリットとデメリットを伝える必要があると思います。
コマーシャルでもメリットはたくさん聞きますが、デメリットはなかなか教えてくれないですよね。
デメリットは伝えなくない、という気持ちもわかります。
でも知っている情報は、できる限り伝えてもらいたいですね。
まとめ
茂木さん、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
「洗たくマグちゃん」の仕組みや、その代わりになるもの、そして洗濯洗剤業界の状況などひとつのニュースからいろんなことが読み取れましたね。
洗濯洗剤をめぐってこれからどんな風になっていくのか、楽しみです!
みなさんも正しい情報をあつめて、ご自身にあった洗剤選びができるといいですね〜!
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました。
またお会いしましょう~♪