洗剤講座

手肌の優しさ一番!?花王の食器用洗剤「キュキュットハンドマイルド」を徹底解説

nishiyama
のぞみ

こんにちは!のぞみです。

今回は茂木和哉さんと一緒に、花王の食器用洗剤「キュキュットハンドマイルド」のパッケージや公式WEBサイトをみて、解説していきたいと思います。

「ハンドマイルド」という商品名からして、なんだか手肌に優しい感じがしますよね!実際のところはどうなのか、気になりますね。

ちなみに参考にしたのは茂木和哉さん(@motegikazuya)のこちらのYouTube動画です↓

https://www.youtube.com/watch?v=mx2f_vDlvkY

手肌の優しさと汚れ落ちの良さは両立可能?

のぞみ

それでは茂木さん、よろしくお願いします!

まずは「キュキュットハンドマイルド」のパッケージの表面から見ていきます。

「キュッと洗えて手にやさしい」と書いてあります。やはり商品名のとおり、手に優しいことを一番に伝えていますね。

そして次に「カモミールエッセンス配合(香料)」とあります。無香料ではないんですね。

表面は意外とシンプルです。

つぎはパッケージの裏面をみていきましょう。

一番上には「食器洗い中の手肌をいたわりたい人に、うるおいキープ処方」とあります。

そしてその下に3つの特徴として「油汚れも一度にキュッ!」「スキンケア発想」「カモミールエッセンス配合(香料)」と書いてあり、さらにその下に「※うるおいを流しにくい製品で、手肌を保護する成分が入っているわけではありません」と書いてあります。

のぞみ

手肌への優しさと油汚れの良さ、両方があるのでしょうか?

うーん……そこは少し気になりますね。

手肌のうるおいに関係しているのは皮脂のことでしょうか、それとも皮脂以外の別のものなのでしょうか。

わたしは皮脂だと思うのですが……だとすると少しおかしな話になってしまいます。

皮脂も食器の汚れもどちらも同じ油です。食器の油だけ落とす、というのはあまり現実的ではないですよね。

花王さんが言っている「手肌のうるおい」とは皮脂以外のことをさしているのかもしれません。

ここはもっと詳しく知りたいところです。

「キュキュットハンドマイルド」の成分や液性は?

つぎはパッケージの裏面に書かれている成分を読んでいきます。

「界面活性剤(42%、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルエーテル)、安定化剤」とあります。先にきている成分の方が多くなりますので、アルキルグリコシドが一番多いんですね。

アルキルグリコシドはノニオン界面活性剤です。非常に手肌に優しいのかな、と思います。

のぞみ

界面活性剤といっても4つのグループがあって、刺激が弱い順に「ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤」となっているんでしたね!

2番目に多く入っている界面活性剤、アルキルグリセリルエーテルは、花王がよく使っている界面活性剤ですね。こちらもノニオン界面活性剤のグループです。

のぞみ

2つとも手肌に優しい界面活性剤なんですね。

もちろんパッケージに記載されているのは多く入っている成分です。これ以外の界面活性剤も入っていると思いますので、詳しくはあとで公式サイトで確認しましょう。

気になる液性も見ていきましょう。

「キュキュットハンドマイルド」の液性は中性です。

実は花王さんの食器用洗剤には「キュキュットハンドマイルド」のほかに普通の「キュキュット」、「キュキュットクリア除菌」とがありますね。

「キュキュットハンドマイルド」が手肌への優しさをアピールしている商品なのですが、せっかくですのでほかのキュキュットシリーズの液性も確認してみましょう。

「キュキュットクリア除菌」の液性は弱酸性、普通の「キュキュット」は中性です。

のぞみ

「キュキュットクリア除菌」は弱酸性なんですね!なんか弱酸性って肌に優しいイメージがあるのですが、どうなんでしょうか?

たしかにそういうイメージを持っている人も多いですよね。

でも考えてみてください。もしも弱酸性が手肌に優しいのであれば「キュキュットハンドマイルド」も弱酸性にした方がいいと思いませんか?

でも「キュキュットハンドマイルド」は中性でしたよね。

私個人の考えとしては、弱酸性も中性も手肌への刺激は同じくらいだと思っています。

手肌の皮脂は弱酸性ですから、皮脂と同じくらいのpHであればたしかに手肌にやさしいです。

ですが、弱酸性といっても結構範囲が色くて、もしも洗剤の酸性度が皮脂よりも高いのであれば、結局刺激は強くなってしまいます。

のぞみ

なるほど……手肌に優しいのは皮脂と同じくらいの酸性度か中性か、なんですね。そうなると、「キュキュットクリア除菌」は別の理由で弱酸性にしているのでしょうか?

そうですね、おそらく酸性にして除菌剤のはたらきを良くしているんだと思います。

「キュキュットハンドマイルド」が中性ですし、手肌の優しさのため、とは考えにくいですね。

「キュキュットハンドマイルド」の成分を詳しく解説

つぎは「キュキュットハンドマイルド」の公式WEBサイトをみて詳しく見ていきます。

パッケージには3つの成分しか書かれていませんでしたが、花王さんはWEBサイトにもっと詳しい成分情報をあげてくれているんです。

配合割合が多い順番に、成分名称:機能名称 と読み上げていきますね。

水:工程剤

アルキルグリコシド:界面活性剤

アルキルグリセリルエーテル:界面活性剤

ポリプロピレングリコール:安定化剤

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム:界面活性剤

トルエンスルホン酸ナトリウム:安定化剤

塩化マグネシウム:安定化剤

ブチルカルビトール:安定化剤

アルキルアミンオキシド:界面活性剤

アルキルヒドロキシスルホベタイン:界面活性剤

ポリオキシエチレンアルキルエーテル:界面活性剤

香料:香料

亜硫酸ナトリウム:安定化剤

着色剤:着色剤

とのことです。

のぞみ

パッケージに書いてあった界面活性剤は2種類だけでしたが、WEBサイトをみるともっと入っていますね。

気になるのは5番目にある直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムですね。これはアニオン界面活性剤で、手肌への刺激は比較的強いです。

のぞみ

ええと……刺激が弱い順に「ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤」ですから、わりと強いグループですね。

「キュキュットハンドマイルド」に含まれている界面活性剤のなかでは3番目の量ですし、ボトルに表記はなかったのでレギュラーではなく補欠ですが、やはりノニオン界面活性剤だけではありませんでしたね。

ほかの界面活性剤も見ていきましょう。

4番目の界面活性剤であるアルキルアミンオキシドは、両性界面活性剤です。刺激もそこまで強くありません。

5番目のアルキルヒドロキシスルホベタインはあまり聞かない物ですね……名前がベタインで終わっているので、これもおそらく両性界面活性剤でしょう。

6番目のポリオキシエチレンアルキルエーテルはノニオン界面活性剤です。

のぞみ

メインで使っている界面活性剤はパッケージに書いてあった2種類ですが、WEBサイトをみると6種類もの界面活性剤がありましたね。

まとめると6種類のうち、ノニオン界面活性剤が3種類、両性界面活性剤が2種類、アニオン界面活性剤が1種類でしたね。

メインの界面活性剤がノニオン界面活性剤と肌に優しいものですが、3番目にはアニオン界面活性剤がありました。

ただ、アニオン界面活性剤が入っているといっても、そこまで量は多くなさそうですので、そこまで気にしなくてもいいレベルです。

花王だけでなく、ライオン、P&Gと大手3社から出ている食器用洗剤のなかでは、一番手肌に優しい合成洗剤ではないかと思います。

のぞみ

手肌に優しい食器用洗剤にするのなら、アニオン界面活性剤は入れなければいいのに……と思ってしまうのですが……。

たしかにアニオン界面活性剤の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが入っていなければ、もっと手肌に優しい食器用洗剤でしたね。

ですがそうすると、今度は油汚れが落ちなくなってしまいます。

パッケージには「油汚れも一度にキュッ!」と書いてありますし、いくら手肌に優しくても、汚れが落ちないようであればそれも問題ですからね。

食器洗いでは手袋を使う?どうしてCMは素手で洗っているの?

ところで、食器を洗うときにゴム手袋ってしていますか?

手肌への優しさを求めるのであれば、食器を洗うとき手袋をしないとけません。

花王の食器用洗剤「キュキュットハンドマイルド」だけでなく、どの食器用洗剤にも言えることです。

のぞみ

そうだったんですか……ずっと気付かないで素手で洗っていました。

「キュキュットハンドマイルド」の裏面にある使用上の注意にも「荒れ性の方や長時間使用する場合、また原液をスポンジに含ませて使用する時は炊事用手袋を使う。」書かれているんですよ。

ライオンの「チャーミーマジカ」や、P&Gの「ジョイ」にも同じことが書かれています。ライオンのほうは特に強調して書かれていますね。

のぞみ

手肌に優しい「キュキュットハンドマイルド」ですら手袋が必要なら、他の食器用洗剤はなおさら必要ですよね。でもテレビのコマーシャルではゴム手袋は付けていませんよね……?

たしかに食器用洗剤は素手で使うものというイメージはありますよね。

けれど一昔前は花王もライオンも、コマーシャルのなかの食器洗いをするシーンは手袋をしていたそうです。

どうして素手で洗うようになったのか、これは人から聞いた話なのですが少し歴史の話をしますね。

「ジョイ」を販売しているP&Gはアメリカの会社で、1995年に日本にやってきました。

当時から「ジョイ」は手肌の優しさよりも洗浄力を重視した食器用洗剤でした。成分はもちろん洗浄力の高いものを使っていますし、液性も弱アルカリ性です。

のぞみ

P&Gは食器用洗剤も洗濯洗剤も洗浄力が強いものが多いですよね。それは当時からだったんですね。

そしてP&Gが日本にやってきたのと同じ時期、日本にもともといた花王やライオンは、食器洗いによる手肌の荒れ問題について気にしていたようです。

洗浄力は高めたいけれど、あまり強すぎると手荒れしてしまうので極端には強くできない……と試行錯誤していた時期ですね。

この時期、花王やライオンが流していたコマーシャルでは、食器洗いのときに手袋を付けていました。

そんななか、P&Gが素手で食器を洗うコマーシャルを流したんです。

P&Gは洗浄力を重視していますから、見ている人からすると「洗浄力も高く、素手で使っても問題ないくらい手肌に優しい」と思ってしまいますよね。

実際は花王やライオンのほうが手肌の優しさ重視なのですが……P&Gの洗剤による手荒れ問題がそこまで大きくならなかったこともあり、結果としてP&Gのほうが評価されたんです。

そしてそのP&Gのコマーシャルのあと、花王やライオンも真似をするようにコマーシャルでは手袋をつかわず、素手で洗うようになったんです。

のぞみ

注意書きにある使い方とコマーシャルでの使い方が一致しないのはそんな背景があったんですね……!

コマーシャルでの演出をめぐってアレコレとありましたが、パッケージの注意書きで手袋を着用してと書いてあるのなら、そうしたほうがいいです。

手肌に優しい食器用洗剤を求めるのであれば、なおさらですね。

まとめ

茂木さん、ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?

今回は花王さんの食器用洗剤「キュキュットハンドマイルド」について、パッケージをみたり、成分をみたりして解説をしていきました。

なかには少し気になる成分もありましたが、それでも大手が出している食器用洗剤のなかでは一番手肌に優しいのようですね!

手肌の優しさを気にされる方は、是非手に取ってみてくださいね。

それでは、ここまで見てくださりありがとうございました。

またお会いしましょう~♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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