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界面活性剤とは?「茂木和哉」が分かりやすく解説します!

茂木 和哉

こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です。

皆さん、「界面活性剤」って知ってますか?

たぶん言葉は聞いたことあるけど、よく分からないって方がほとんどじゃないでしょうか?

そこで今回は、界面活性剤についてできる限り分かりやすく説明したいと思います!

合成界面活性剤の働き「乳化」とは?

皆さん、イメージしてください。

空のペットボトルに水を入れ、その後サラダ油を少し入れます。

そして、キャップを閉めてボトルをよく振りテーブルに置きます。

少し経ってから、そのペットボトルの中身を確認するとどうなってますか?

水と油は混ざってないですよね?

水の油が上に浮いているのがメージできると思います。

しかし、その水と油が分離している状態のペットボトルの中に台所洗剤を少し入れて、また同じようにボトルを振ると、水と油は混ざりあって白っぽい液体になります。

これが台所洗剤に含まれている界面活性剤の働きなのです!

界面活性剤の「界面」とは物と物の境目という意味で、今お話しした例で言えば、水と油が混ざり合わない事でできる液体の境目の部分です。

その境目に界面活性剤はくっついて働き、普段混ざりあう事のない物と物を混ざり合わせてくれるんですよね。

先ほど、水と油が混ざって白っぽいの液体になるとお伝えしましたが、この状態を「乳化」と言って、洗剤に含まれている界面活性剤の働きのひとつです。

衣類や食器についた油汚れは水と混ざり合った状態になると離れやすくなります。

茂木和哉

だから洗剤を使うと汚れが落ちるんです!

暮らしに欠かせない身近な合成界面活性剤

界面活性剤のなんでも混ぜ合わせる働きは、台所用や洗濯用などの洗剤以外にも界面活性剤は身近なものにたくさん使われています。

例えば、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔フォーム、石鹸、ハンドクリーム、歯磨き粉、アイスクリーム、マヨネーズなどなど。

シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔フォームは、用途が違うだけで液体洗剤と同じようなものですが、それ以外はちょっとビックリしませんか?

ハンドクリームも界面活性剤は使われているんです。

と言うより界面活性剤を使わないと作るのが難しいぐらいです。

ハンドクリームなどのクリーム系の化粧品は、乳液はオイルと水や保湿成分など混ぜ合わせて作るのですが、その為に合成界面活性剤の「乳化」の働きが必要不可欠なんです。

界面活性剤が一仕事終えている状態なのでクリーム状なんです。

一仕事を終えて休んでいるから、洗剤やシャンプーなどのように泡立たわけです。

それと以前もお伝えしましたが、歯磨き粉にも発泡剤として界面活性剤が使われています。

皆さんが、一番ビックリしたのは、アイスクリームやマヨネーズなどの食べ物にも界面活性剤が使われている事ではないですかね?

我々洗剤メーカーは、界面活性剤メーカーから洗剤用や化粧品の界面活性剤を購入するのと同じように、食品メーカーも食品用の合成界面活性剤を購入しているんですよ。

他にも人工的に作ったものでなくても、天然ものでも界面活性剤の働きで水と他の成分が混ざった状態になってりものもあります。

例えば、牛乳や豆乳などですね。

でもこの2つは「天然」界面活性剤の働きで乳化しているので、人工的に作ったものに使われている「合成」界面活性剤とはものが違いますけどね。

茂木和哉

ちなみに乳白色ではありませんが、墨汁もりっぱな乳化状態ですからね。

「天然」と「天然系」の界面活性剤の違いについて

実は、天然界面活性剤も購入する事ができるんです。

マヨネーズやマーガリンなどの食品の乳化剤として使われている卵黄レシチンや大豆レシチンがそうです。

なので界面活性剤を大きく分けると、天然に存在する天然界面活性剤と、 化学合成された合成界面活性剤があります。

さらに合成界面活性剤は、ココヤシやアブラヤシなど天然の原料から作られた「天然系界面活性剤」と 石油系の原料から作られる「石油系界面活性剤」にわけられます。

なので、天然界面活性剤と天然系界面活性剤は別物なんです。

天然系界面活性剤は、植物系界面活性剤や天然由来界面活性剤、植物由来界面活性剤と言ったりします。

でも「石油系界面活性剤」と「植物系界面活性剤」は、違うように思われがちですが、石油から作られようが、ヤシから作れようが界面活性剤の種類が同じなら、安全性も環境への影響も同じものですからね。

洗剤を作っているメーカーなら知ってて当然のことだと思うのですが、パッケージに石油系の方が悪いようにうたっていたり、植物系の方が良いようにうたっている洗剤を見かけますよね…

界面活性剤の働きは「乳化」だけじゃない

界面活性剤の働きは、「乳化」の働きだけでなくまだ色々あります。

その働きを、衣類に付いた油汚れが界面活性剤で落ちる様子で説明していきたいと思います!

まず、水に界面活性剤を入れてると表面張力が弱められます。

これを「湿潤作用」と言います。

茂木和哉

表面張力って、コップに水をギリギリいっぱい入れると水がこんもりして溢れてもおかしくないなのに溢れない状態を保つ働きですよね。

すると、水をはじきやすい糸きれなども水にしみこむようになります。

これを「浸透作用」と言います。

そこから界面活性剤は、油をとても小さな粒をして取り囲み水の中にばらばらに散らばせることができます。

これを「分散作用」と言います。

一度とれた汚れは、界面活性剤にしっかり包まれています。

これが「乳化作用」ですね。

乳化作用が働く事で、再び汚れとしてくっつくことはありません。

これを「再付着防止効果」と言います。

衣類についた油汚れは、水洗いだけでキレイに落ちないけど、洗剤を使うとキレイに落ちるのは、洗剤に含まれている界面活性剤がこれだけ働いてくれるからです。

肌へ刺激を与える「タンパク質変成作用」

また、界面活性剤には「タンパク質変成作用」という働きもあります。

タンパク質変性とは、簡単に言えばタンパク質が壊されて本来の機能を働きができなくなる事を言います。

この働きを利用しているのが、薬用ハンドソープや除草剤などです。

薬用ハンドソープは、タンパク質変成作用を利用し雑菌を除菌します。

除草剤には、有効成分を雑草に浸透させやすくさせるため使用します。

菌も植物だけでなく、人間もタンパク質でできているのでタンパク質変成作用の影響を受けます。

なのでタンパク質変成作用が強めの界面活性剤が入った台所洗剤やボディソープを継続して使うと、特に肌が弱い方は肌荒れに繋がったりしますよね。

でも肌荒れの原因は、界面活製剤によるタンパク質変成作用よりも、皮脂が流され肌が乾燥してしまう事の方が大きな原因だと思っています。

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回お伝えした通り界面活性剤には色んな働きがあって、その色んな働きを使って汚れを落としています。

中には肌に良くない働きをするものもありましたね。

最後にまとめますと、
・湿潤作用
・浸透作用
・分散作用
・乳化作用
・再付着防止効果
・タンパク質変成作用
の6つが界面活性剤の働きとなります。

界面活性剤についてもっと深く知りたい方は、コチラの記事もご覧ください。

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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