パッケージに惑わされない!洗剤を液性や成分で見分けられるようになるためのポイント3選
こんにちは、のぞみです。
今回はわたしがお掃除や洗剤選びのポイントを抑えるときに重視している、液性、界面活性剤、品名の3つについてお話をしていこうと思います。
この3つは、どの洗剤にも裏面をみれば必ず書かれています。
洗剤について知識を深めれば、お掃除がもっと楽しくなるはずですよ~♪
ちなみに今回参考にしたのは、こちらの茂木和哉(@motegikazuya)さんのYouTube動画です!
洗剤はまず液性をチェック!
まずは「液性」についてです。
液性は家庭用品品質表示法では、アルカリ性、弱アルカリ性、中性、弱酸性、酸性の5つに分けられて記載されてます。
どんな洗剤も、液性を確認するだけでどんな洗剤なのかがざっくりとわかるんですよ~!
もちろん洗剤の表には、キャッチコピーが書かれています。
でも正直なところ……キャッチコピーだけを見てもいまいちわからないことがあったり、キャッチコピーに惹かれて買ってきても汚れが落ちなかった!なんてこともありますよね。
なのできちんと洗剤を選ぶのなら、パッケージに書かれているキャッチコピーよりも、液性をみてみましょう!
中性・酸性・アルカリ性の洗剤の特徴は?
中性、アルカリ性、酸性それぞれにどんな特徴があるのかをお話していきますね。
中性洗剤は、食器用洗剤や洗濯洗剤によく使われています。
というのも中性洗剤は、手肌や素材に刺激を与えないで洗うことができるからです。
食器洗いはゴム手袋をする派の方もいらっしゃるかもしれませんが……それでもやっぱり素手のまま洗うという人も多いですよね。
食器用洗剤は洗浄力ももちろん大切ですが、肌にやさしく使えるよう、中性でできていることが多いです。
洗濯洗剤の場合は、手に触れるっていうことはあまりないと思います。
ですが中性でないと使えない、中性以外で洗うと傷んでしまうという生地もあります。
なので基本的には、中性の物が多いですね。
お掃除用の洗剤だと、中性洗剤はたくさんあります。特に拭き掃除用の洗剤に多いかな?という印象がありますね。
代表的なものだと、「ウタマロクリーナー」とか、花王さんの「クイックルホームリセット泡クリーナー」は中性です。
お風呂掃除用の洗剤だと、最近は弱アルカリ性のものが増えているのですが……身近な洗剤だと「バスマジックリン」が中性の洗剤です。
酸性・アルカリ性の洗剤は、中性の洗剤よりも洗浄力が高いのが特徴です。
そのぶん、肌や素材への刺激は強くなってしまいますがね。
酸性洗浄剤だと、「サンポール」や「茂木和哉トイレ尿石落としジェル」があります。
ナチュラルクリーニングでおなじみのクエン酸も、酸性に入りますね。
もちろん、一言で酸性といってもpHによって差はあります。
クエン酸は比較的マイルドな弱酸性、「サンポール」や「茂木和哉トイレ尿石落としジェル」はpHが低く、酸性度が高い分類ですね。その分、刺激も強くなってきます!
アルカリ性の洗浄剤には、アルカリ電解水や重曹、セスキ炭酸ソーダがあります。
「マジックリン」も裏面の液性をみると、アルカリ性と書いてありますね。
アルカリ性は中性の洗剤よりも、汚れをよく落としてくれる洗剤です!
中性の洗剤は、アルカリ性や酸性の洗剤よりも刺激が少なく、安心して使うことができます。
でも中性だからこそのデメリットもあるんですよね。
それはやっぱり……洗浄力が低いということです。
洗浄力に関して言えば、アルカリ度が高くなればなるほど、油汚れや皮脂汚れに対しての洗浄力が高まります。
そして酸性度が高くなればなるほど、水垢や石けんカスに対しての洗浄力が高まります。
液性によって落ちやすい汚れはちがうので、洗剤を選ぶときはまず洗剤の液性をチェックする!というのがとても重要になってきます。
どこのメーカーさんも、洗剤のパッケージにはいろんなことを書いています。
「汚れが良く落ちる」とか「肌に優しい」とかいろんなキャッチコピーがあるかもしれませんが……言葉に惑わされず、きちんと液性をみて判断できるのが確実ですね!
詳しく知りたいときはpHもチェック
黒板をみてもらうと、アルカリ性、弱アルカリ性、中性、弱酸性、酸性それぞれのpHについても書いてありますね。
中性はpH6~8。pHが大きくなるとアルカリ性、小さくなると酸性となります。
これは理科の授業を思い出してくださいね!
洗剤の裏面をみるだけでは、ここまでのpHはわかりません。
でも実は……このあいだデジタルのpH測定器を購入したんです!
pH測定器を使って洗剤のpHを実際に計測してみて、みなさんにお伝えできればなと思っています。
洗剤選びをするとき、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです♪
界面活性剤は4つのグループで特徴をつかもう
洗剤選びのポイント、2つ目は「界面活性剤」です。
わたしは洗剤の解説をするときに、裏面に書かれている成分をみて、その後に界面活性剤の種類についてお話をしていますね。
カチオン・アニオン・両性・ノニオンとは?
界面活性剤は実は大きく、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤の4つのグループに分けられます。
1つ1つの界面活性剤をみていくと本当にたくさんあって……なかなか特徴を抑えるのは難しいんです。
それに花王さんとかライオンさんは、つぎつぎと新しい界面活性剤を使ってくるので、聞いたことがないものもあったりするんですよね。
でもカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤の4つのグループさえ抑えておけば、洗浄力や安全性といった界面活性剤の特徴を掴むことができます!
黒板には、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤……と、左から順番に洗浄力が高い順に書いてあります。
一番左側に書かれている「カチオン界面活性剤」は、非常に洗浄力が高い界面活性剤です。反対に一番右側の「ノニオン界面活性剤」は、ほとんど刺激がないと考えてもいいくらいです!
カチオン界面活性剤は非常に刺激が強く、薬用ハンドソープの除菌成分としても使われることもあります。
公衆トイレに緑色のハンドソープが置かれていることがありますよね。
そのハンドソープは、塩化ベンザルコニウムという界面活性剤でできていて、除菌力が高い洗剤です。
もちろん、刺激が強いので手荒れの原因にもなりやすいんですよね……!
アニオン界面活性剤は、洗浄成分としてよく使われています。
シャンプーとかボディーソープ、もちろんお掃除洗剤の主成分として、よく見かけますね。
アニオン界面活性剤でよく使われる界面活性剤では、アルキル硫酸エステルナトリウムがあります。
でも最近はアニオン界面活性剤は使わずに、両性界面活性剤を主成分として使っている洗剤も増えてきています。
両性界面活性剤が主成分の洗剤には、例えば「ウタマロクリーナー」や「バスマジックリン」などがあります。
洗浄力だけでみると、両性界面活性剤よりもアニオン界面活性剤のほうが高いのですが……ただ刺激が強くなってしまうので、安全性重視のものを選びたいという方は両性界面活性剤のものがおすすめですね。
小さいお子さんがいるとか、お肌が弱いなんて方に「ウタマロクリーナー」は人気の洗剤です。
もっと安全性を重視したい、という方であれば、ノニオン界面活性剤が主成分のものを選んでみましょう。洗浄力はかなり落ちてしまいますが……界面活性剤のなかで安全性は一番高いです。
ノニオン界面活性剤がベースのものには、洗濯洗剤だと「エマール」があります。
「エマール」はポリオキシエチレンアルキルエーテルという界面活性剤が使われています。
それとちょっと話は別ですが……ノニオン界面活性剤はクリームの乳化剤として使われることもありますね。
界面活性剤は組み合わせて使われることも?
界面活性剤は大きく4つのグループに分けられますが、いくつかの界面活性剤が合わさっていることも珍しくありません。
P&Gさん、ライオンさん、花王さんといった大手の食器用洗剤なんかだと、洗浄力が一番マイルドなノニオン界面活性剤だけで作っている、なんてことはありませんね。
アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を組み合わせる、ということはありますが……。
アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤の3つは、お掃除用の洗剤では洗浄成分として使われることが多いです。
カチオン界面活性剤は少し用途が違っていて、除菌剤として使われることが多いです。
それとカチオン界面活性剤は、柔軟剤やリンスなんかでも見かけますね。
たとえばアニオン界面活性剤がベースの洗濯洗剤やシャンプーで洗うと、洗濯物がごわついたり、髪の毛がきしんだりしてしまいますよね。
そのごわつき・きしみを取ってくれるのが、逆の性質を持つカチオン界面活性剤です。
カチオン界面活性剤を使っている「オスバン」は、逆性石けんなんて呼ばれたりもしますね。
……というように、界面活性剤と一言でいっても、洗浄力や安全性は異なりますし、洗浄力以外のはたらきを持つものもあります。
この特徴を抑えておくと、洗剤選びがもっと楽しくなりますね~♪
成分がざっくりわかる?品名もチェックしよう!
品名は商品名とは違う?
洗剤選びのポイント、最後は「品名」です。
品名というのは、「ウタマロクリーナー」とか「バスマジックリン」といった商品名ではなく、裏面にかかれているものですね。
手元に「おふろのルック」があるので見てみましょう。裏面に「品名/浴室用合成洗剤」と書かれています。
この品名の記載にも、家庭用品品質表示法で決められているルールがあります。
まずは頭に用途が書かれるようになっています。
「おふろのルック」の品名だと、頭に「浴室用」とあるので、お風呂用の洗剤なんだということがわかりますね。
そして大事なのは、その後です。「おふろのルック」だと「合成洗剤」と書かれてますよね。
実はここは、「洗浄剤」と書かれてるパターンもありますし、洗剤によっては、「漂白剤」や「石けん」と書かれていることもあります。
洗剤と洗浄剤って何が違う?汚れが落ちるのはどっち?
ここで洗剤、洗浄剤、漂白剤、そして石けんについて知っておきましょう!
まずは洗剤と洗浄剤についてです。
この2つは名前が似ていて、違いがよくわからないですよね。
でも明確な違いがあるんです。それは汚れの落とし方!
洗剤は、界面活性剤のはたらきで汚れを落とします。
一方で洗浄剤は、酸やアルカリのはたらきで汚れを落とします。
なので「酸性洗浄剤」「アルカリ洗浄剤」はあっても、「中性洗浄剤」というものは存在しません。
そして洗剤は、界面活性剤のはたらきで汚れを落とすものです。
なのでここはちょっとややこしいのですが「中性洗剤」もあれば、「酸性洗剤」「アルカリ洗剤」も存在します。
「酸性洗剤」と「アルカリ洗剤」は、汚れを落とす主役は界面活性剤、そしてサブとして酸やアルカリがはたらく、という意味なんです。
たとえば花王さんから出ているキッチン用洗剤の「マジックリン」は、界面活性剤のはたらきで汚れを落とす「洗剤」ですが、液性はアルカリ性なので「アルカリ洗剤」というくくりになります。
「マジックリン」の品名も、「住宅用合成洗剤」となっており、きちんと「洗剤」であると書かれているんですよ。
ちなみに、同じくキッチン用洗剤の「なまはげ油汚れ用」は、メインはアルカリ、サブとして界面活性剤がはたらくようにできています。
なので「なまはげ油汚れ用」の品名をみると「換気扇・レンジ用洗浄剤」と書かれています。
「なまはげ油汚れ用」はあくまでアルカリがメインなので、「洗剤」ではなく「洗浄剤」と書かれているんですね……!
「洗剤」と書かれていれば、必ず界面活性剤が入っています。
一方で「洗浄剤」には界面活性剤が入っているものもあれば、まったく入っていないというものもあります。
たとえば酸性洗浄剤のクエン酸や、アルカリ洗浄剤のセスキ炭酸ソーダ、アルカリ電解水なんかは、界面活性剤は使っていませんよね。
でも正直なところ……洗剤を作っているメーカーさんの立場からみてみると、「洗剤」でも「洗浄剤」でも、どっちでも行ける、というケースもあるんです。
それに品名が「洗剤」になるか「洗浄剤」になるかで、その後の成分の書き方も少し変わってきます。
同じような成分を使っていても「洗剤」として売るか「洗浄剤」として売るかは、メーカーさんの考え次第なところもあります。
そして「石けん」は洗濯石けんや食器用石けんであれば、品名には「石けん」と表記されます。
しかし洗浄剤になると、同じ「石けん」だとしても、成分には「界面活性剤」と表記しなければいけません。
液体石けんであれば「界面活性剤(脂肪酸カリウム)」、固形石けんであれば「界面活性剤(脂肪酸ナトリウム)」というように成分表記がされますね。
茂木さんが出している拭き掃除洗浄剤「シャボンの泡」は、石けんのはたらきで汚れを落とす洗浄剤です。
「シャボンの泡」も成分表示をみてみると「界面活性剤(脂肪酸カリウム)」と書かれているんですよ。
ここだけみると「石けんなのに合成界面活性剤が入っているの!?」と思われるかもしれませんが、「石けん」と表記がされていないせいで、少しややこしく感じてしまいますね。
まぁ石けんも油脂とアルカリをまぜて作った合成界面活性剤の1つではあるのですが……ここの話をしてしまうともっと話がややこしくなってしまうので、また改めてお話します!
……さて、話を戻しましょう。
「洗剤」と「洗浄剤」の違いは、基本的には「酸やアルカリが入っているか」で判断しましょう。
界面活性剤のはたらきだけでなく、アルカリや酸のはたらきが加わっている「洗浄剤」のほうが洗浄力が高いことが多いです。
反対に「洗剤」と書かれているものは、アルカリや酸のはたらきがない中性のものが多く、界面活性剤がメインですから、刺激は「洗浄剤」よりもマイルドなものが多いです。
もちろん例外もありますよ!
たとえば油汚れ用洗剤の「マジックリン」は、「洗剤」のくくりになります。
同じように油汚れを落とすセスキ炭酸ソーダは「洗浄剤」のくくりになりますが、「マジックリン」のほうがずっとカンタンに油汚れを落としてくれますね。
一概に「品名に洗浄剤とあれば洗浄力が高い!」とは言い切れませんが、液性や他の成分とあわせてチェックすれば、自分にあった洗剤を選ぶための指標の1つになるのかなぁと思います♪
漂白剤もいくつか種類がある!
洗剤の品名について、洗剤、洗浄剤、そして石けんについてお話をしました。
最後は「漂白剤」についてお話をしましょう!
品名が「漂白剤」になるものといえば、「カビキラー」や「強力カビハイター」、「キッチン泡ハイター」といった塩素系漂白剤が思いつきますね。
「塩素系洗浄剤」と書かれていることも多いので、またややこしくなるのですが……どれも塩素剤を主成分としている漂白剤です。
塩素系漂白剤には、パッケージに「まぜるな危険」と書かれているので、イメージがつきやすいですね。
そして漂白剤には、酸素系漂白剤というものもあります。
酸素系漂白剤は過炭酸ナトリウムが主成分の粉末タイプのもの、過酸化水素水が主成分の液体タイプのものがあります。
さらにもっと言うと、漂白剤には還元型漂白剤というものもあります。
商品のラインナップはあまり多くありませんが、お店で見かけるものだと花王さんの「ハイドロハイター」がありますね。
このように漂白剤はまず、塩素系漂白剤、酸素系漂白剤、そして還元型漂白剤の3つに分けられます。
そしてさらに、酸素系漂白剤は粉末タイプと液体タイプと分けられますね。
漂白剤にも実は結構違いがあります。
一番の違いは……液性です!今日は何回もでてきたワードですね~!
粉末タイプの酸素系漂白剤は、弱アルカリ性になっています。
液体タイプの酸素系漂白剤は、ほとんどが酸性になっています。もしかしたら弱酸性のものもあるかもしれませんが……。
どうして同じ酸素系漂白剤でも、アルカリ性のものと酸性のものがあるのかというと、それは酸素を安定させるためなんです!
粉末タイプの過炭酸ナトリウムは、水に溶かして使いますよね。溶かすまでは酸素が出てこないので、そこまで酸素の安定性について考える必要がありません。なので最初から、アルカリ性にしてあるんですよね。
反対に液体タイプの酸素系漂白剤は、いざ使うぞ!というときまで酸素を出さないで安定してもらいたいんです。
中性やアルカリ性だと、保存しているあいだに酸素がブクブクと出てきてしまうんですって。
なので酸素が出てこないように、安定させるためにわざと酸性にしているんです!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は洗剤選びのときに注目したい、液性、界面活性剤、そして品名についてお話をしていきました。
大事なポイントを抑えて、自分にぴったりの洗剤をみつけていきましょう♪
また、YouTubeチャンネル「のぞみのお掃除講座」では、お掃除にまつわるいろんな情報をお届けしています。
こちらの動画もみてもらえると嬉しいです!
さらに自分にあったお掃除法を見つけたいという方は、「汚れ落とし研究家 茂木和哉のラクラク掃除術」を読んでみてくださいね。
茂木さんがお掃除ノウハウを、わかりやすくまとめてくれていますよ~!
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました。
またお会いしましょう~♪