【洗濯】マグネシウム水の硬度は?洗剤との相性は良いのか?検証して調べてみました
こんにちは、のぞみです。
衣類と一緒にマグネシウムを入れることで、洗濯槽の水のアルカリ度を高め、汚れ落ちや消臭効果を高める「マグネシウム洗濯」という洗濯法があります。
「マグネシウム洗濯」では、マグネシウムと一緒に洗濯洗剤を使う方もいらっしゃるかと思いますが、ここで気になるのが「水の硬さ」です。
硬水の水は洗濯がしにくいと聞いたことがあるので……マグネシウム洗濯は水の硬さには影響されないのでしょうか……?
ということで今回は、マグネシウム水の硬度分について「水道水にマグネシウムを入れるとどのくらい硬度分が高くなるのか?」と「硬水と洗剤との相性は良いのか悪いのか?」の2つを検証していきたいと思います!
ちなみに今回参考にしたのは、こちらの茂木和哉(@motegikazuya)さんのYouTube動画です!
マグネシウム粒を入れた水道水を用意
マグネシウム洗濯についてちょうど3日前に、どのくらいアルカリ度数が上がるのかをマグネシウム粒をつかって検証しました。
検証の結果、アルカリ度数が上がるスピードは水の温度には影響を受けず、かき混ぜの有無が関係していました。
そしてもともとの水道水の液性は、6.5の中性だったのですが、24時間後には9.7とセスキ炭酸ソーダと同じくらいのアルカリ度数になりました。
この実験の詳細は、こちらの動画をご覧ください♪
今回のマグネシウム水の硬度を測る検証では、この時につくったマグネシウム水を使いたいと思います。
左側から、①常温水でマグネシウム粒をかき混ぜなかったもの、②常温水で時々マグネシウム粒をかき混ぜたもの、③38度のお湯でマグネシウム粒をかき混ぜなかったもの、④38度のお湯で時々マグネシウム粒をかき混ぜたものです。
前回はこの4つのコップに分けて、アルカリ度数を測りました。
マグネシウムを入れてから3日経っていますので、ここでもう一回4つのマグネシウム水のアルカリ度数を測っておきましょう。
①常温水でマグネシウム粒をかき混ぜなかったもののpHは9.6
②常温水で時々マグネシウム粒をかき混ぜたもののpHは9.9
③38度のお湯でマグネシウム粒をかき混ぜなかったもののpHは9.6
④38度のお湯で時々マグネシウム粒をかき混ぜたもののpHは9.8
となりました。
3日経っても、かき混ぜていたものの方が少しだけアルカリ度が高いようですね!
マグネシウム水の硬度を測定!
マグネシウム水の硬度を測定できるように、「全硬度測定器」というものを購入してみました。
デジタルのものは予算オーバーだったので、アナログの測定器にしました。
硬度をはかりたい水を10ml取り試薬を1mlと混ぜ、その色の付き具合で硬度を測るようです!
このように試薬をまぜると色がつきます。紫色が濃い方が硬水のようです!
それともう一つ気になっているのが、「コップの上と下で水の硬度は違うのか」です。
マグネシウムは下のほうにありますし、お味噌汁のように成分が底の方に溜まっていくのかもしれません。
なので初めにコップの上のほうの水(上澄み)を、次に水をかき混ぜてコップの中全体の水を、という順番で水の硬度を測って行こうと思います!
普通の水道水の硬度を測定
マグネシウム粒をいれることで硬度が変わるのか?をみる検証ですから、まずは元々の水道水の硬度を調べておかないといけません!
水道水に試薬を混ぜ、「全硬度測定器」の真ん中にケースをセットします。
両端にあるサンプルの色と比べると……60mg/Lよりは薄く、40mg/Lよりは濃いかなという感じですね!
実験に使っているのは秋田県の水道水なので、50mg/Lだと秋田県の平均的なお水よりもちょっと硬いかなと思います。
マグネシウムを入れていない水道水の硬度は、50mg/Lとしましょう。
ここを基準として、マグネシウム粒が入ることでどれくらい硬度が変わるのでしょうか?
ちなみに、硬水・軟水は水の中に含まれているミネラルの量で決まります。
60mg/L以下は軟水、60〜120mg/Lは中硬水、120〜180mg/Lは硬水、180mg/L以上は超硬水とされ、日本は平均60mg/Lだそうです。
コップの表面にあるマグネシウム水の硬度は?
4つのコップに分けてマグネシウム水を作りましたが、どれもアルカリ度数はほとんど同じだったので①の「常温水でマグネシウム粒をかき混ぜなかったもの」の硬度を測ります。
①のコップの上澄みの水をすくい、試薬と混ぜ色を付けます。
「全硬度測定器」の真ん中にケースをセットし、両端にあるサンプルの色と比べます。
マグネシウム水の硬度は、80mg/Lよりは明らか濃く、180mg/Lよりは薄いといった感じですね。
120mg/Lとはちょっと色が違う気がしますが……ここは間をとって120mg/Lとしておきましょう。
コップ全体をかき混ぜたマグネシウム水の硬度は?
次は①のコップの水をマドラーでかき混ぜてから、マグネシウム水の硬度を計測していきましょう。
水をケースに入れて、試薬と混ぜると、同じように紫色になりました。
「全硬度測定器」の真ん中にケースをセットし、両端のサンプルと色と比べると、だいたい120mg/Lくらいの色でしょうか。
以上の検証から
・マグネシウム水は水道水よりも硬度が高くなること
・マグネシウム水は上のほうと全体とで硬度に差がないこと
がわかりました。
120〜180mg/Lだと硬水ですから、マグネシウム粒を入れることで軟水の水がちゃんと硬水になっているようですね!
硬水と洗剤の相性を検証!ちゃんと泡立つ?
マグネシウム粒が水の硬度を上げるとわかれば、次は「洗剤と一緒に使っても泡立ちに影響しないか?」が気になってきますね。
そこでつぎは硬水と洗剤の相性を見ていきましょう。
一般的に硬度が高い水は、洗剤や石けんが泡立ちにくいとされています。
ミネラルがたくさん含まれている温泉や、硬水の国で石けんをつかってみたら全然泡立たなかった!というお話は、この水の硬度が関係しています。
硬水と洗剤の相性検証の進め方
マグネシウム水をいれたコップを3つ用意し、それぞれに別の洗濯洗剤を入れます。
そしてマドラーでかき混ぜたときの泡立ち具合や水のようすを比較します。
マグネシウム水の量は200ml、洗濯洗剤の量は5mlで統一します。
洗濯機のなかの水は大体40リットルで、今回はコップ1杯とかなり水の量が少なくなってしまいますが……手で洗うときをイメージしてもらえれば近いかなと思います。
また、洗濯洗剤はそれぞれ入っている界面活性剤の割合が違うので、濃度も一緒になるとは言えないのですが……ここまでこだわってしまうと大変になるので今回はこれで進めていこうと思います!
検証に使う3つの洗濯洗剤
どの洗濯洗剤を比較するかも大事ですよね!
一般的に、アニオン界面活性剤は水の硬度の影響を受けやすく、ノニオン界面活性剤は硬度の影響を受けにくいとされています。
なので今回は
①アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を配合している洗濯洗剤
②ノニオン界面活性剤のみ配合している洗濯洗剤
③洗濯用石けん(アニオン界面活性剤)
の3つを使ってみたいと思います。
①アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を配合している洗濯洗剤には、P&Gさんの「アリエールプロクリーン」を使います。
「アリエールプロクリーン」で使っている界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(アニオン界面活性剤)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン界面活性剤)。界面活性剤の濃度は、52%と高めです。
ちなみに大手の洗濯洗剤の多くは、界面活性剤にアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の両方を使っています。
というのもアニオン界面活性剤のほうが洗浄力が高いので、しっかりと汚れを落とせるようにアニオン界面活性剤を使っていることが多いんですって!
②ノニオン界面活性剤のみ配合している洗濯洗剤には、花王さんおしゃれ着用洗剤の「エマール」を使います。
「エマール」で使っている界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン界面活性剤)。界面活性剤の濃度は21%です。
そして③洗濯用石けん(アニオン界面活性剤)には、サラヤさんの「アラウ」を使います。
「アラウ」の成分は、純石けん分(脂肪酸カリウム)で濃度は30%です。
脂肪酸カリウムはアニオン界面活性剤なので、しかも石けんなので他の界面活性剤よりも硬度の影響を受けやすいのでは?と予想します。
硬水に洗濯洗剤を混ぜたときの泡立ち具合は?
それでは、マグネシウム水と洗濯洗剤を使って、泡立ち具合をチェックしていきましょう!
1つ目はアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の両方を使っている「アリエールプロクリーン」を混ぜていきます。
「アリエールプロクリーン」5グラムをスプーンに取って、200mlのマグネシウム水に入れていきます。
そのままスプーンでかき混ぜてみると……泡が全く立たないということではないですが、少し物足りないくらいの泡かな、という印象です。
スプーンで軽くかき混ぜる程度では物足りないくらいでしたが、マドラーでかき混ぜるともっと泡立ってきました。
つぎはノニオン界面活性剤のみ配合している洗濯洗剤「エマール」をマグネシウム水に入れていきましょう。
同じようにスプーンに洗剤を乗せ、マグネシウム水と混ぜていきます。
かき混ぜてみると、先ほどの「アリエールプロクリーン」よりも泡立ちやすい印象ですね。しかもボリュームのある泡です。
水の色も、「アリエールプロクリーン」よりも透明で澄んでいます。
最後は洗濯用石けん(アニオン界面活性剤)の「アラウ」で試してみます。
スプーンでかき混ぜると、思っていたよりも泡立っています。「アリエールプロクリーン」よりは少し少ないでしょうか?
でもこの3つのなかで一番硬水の影響を受けやすいと思っていたのは、石けんでできている「アラウ」だったのでびっくりです。
もしかすると、水に対しての洗剤の量が多いからかもしれませんね!
3つとも混ぜたところで、水の色をチェックしてみましょう。
一番左の水色っぽいものが「アリエールプロクリーン」、真ん中が「エマール」、そして右側が「アラウ」です。
「アリエールプロクリーン」が青っぽいのは着色料の色かと思います。
「エマール」は透明ですが、「アラウ」は水が白く「アリエールプロクリーン」も白が混じった青といった色ですね。
どうやらこの白っぽいのは、金属石けんができて濁っているそうなんです。
金属石けんがあると泡立ちが鈍くなってしまうので、硬水に影響されない「エマール」だけ透明なのはうなずけますね!
マグネシウム水の割合を増やして洗濯洗剤の泡立ちを検証
洗剤の泡立ちは、水の量とも深く関係しています。
先ほどはマグネシウム水200ml、洗濯洗剤5グラムで検証しましたが、次はマグネシウム水の量を2倍にしてみましょう。
先ほどのマグネシウム水200ml、洗濯洗剤5グラムのものに、もう200mlずつマグネシウム水を足しました。
コップがいっぱいになってしまったので、600mlまで入るコップに移し替えています。
さて、マグネシウム水400ml、洗濯洗剤5グラムでは、泡立ち具合はどうなるのでしょうか?
先ほどと同じ順番で見ていきましょう。
1つ目はアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の両方を使っている「アリエールプロクリーン」です。
マドラーでかき混ぜていくと……泡立つことは泡立つのですがやはり泡の量は少ないように感じます。
つぎはノニオン界面活性剤のみ配合している洗濯洗剤「エマール」です。
マドラーでかき混ぜると……やっぱり「アリエールプロクリーン」よりも泡立ちが豊かです。
最後は洗濯用石けん(アニオン界面活性剤)の「アラウ」です。
石けんは硬水だと泡立ちにくいですし、さらに水の量が多いともっと泡立ちにくくなるのですが……混ぜているとちゃんと泡が出てきますね。
これは予想外です。
ここで先ほどと同じように、水の濁り具合もチェックしておきましょう。
一番左の水色っぽいものが「アリエールプロクリーン」、真ん中が「エマール」、そして右側が「アラウ」です。
「アリエールプロクリーン」が青っぽい白で、「エマール」は透明ですが、「アラウ」は白くなっています。
水の量を400mlに増やしても、濁り具合はそんなに変わりませんね。
水道水に洗濯洗剤を混ぜた場合と比べてみると?
ちょっとここで、マグネシウム水(硬水)ではなく水道水(軟水)にいれたときの泡立ち具合も気になってきました。
せっかくですので、水道水でも同じことをしてみましょう。
水道水に「アリエールプロクリーン」を5グラム入れて混ぜると……このような泡になりました。
マグネシウム水にいれた時よりは泡立ちがよいかな、という印象です。
次は水道水に「アラウ」を5グラムいれてかき混ぜていきます。
泡立ち具合は……こちらはマグネシウム水と同じくらいでしょうか。結構よく泡立ってくれますね。
濁り具合も見ていきましょう。
「アリエールプロクリーン」を水道水にいれたのが左側、マグネシウム水にいれたのが右側です。
水道水のほうが透明度が高いですね、硬度が低いので金属石けんができていません。
洗濯用石けん「アラウ」もみていきましょう。
左側が水道水、右側がマグネシウム水にいれたものです。こちらもマグネシウム水のほうが白く濁っていますね。
光の当たり具合を考慮して、左右を入れ替えてもチェックしてみましたが、やはりマグネシウム水のほうが白くみえます。
そうすると、金属石けんの多く濁っているマグネシウム水のほうが泡立ちが悪くなるはずなのですが……「アリエールプロクリーン」をかき混ぜてみるとマグネシウム水の方がちょっと泡立ちがいいような気もしてきます。
ちょっとこれは不思議ですね。どうして硬度が高い方が泡立ちが良いのでしょうか……。
予想外の結果になってかなり驚いています。
硬水と洗剤の泡立ちチェックの結果
と、ここまでマグネシウム水に洗濯洗剤をまぜて泡立ち具合を検証してきました。
違いがはっきりと出たのは、「水の透明度の違い」ですね!
マグネシウム水よりも水道水のほうが、洗濯洗剤を入れたときの水の透明度が高かったです。
これは今回検証で使った3つの洗剤すべてでそうでした。
特に「エマール」はマグネシウム水でも金属石けんができずに澄んでいましたね。
これは「エマール」で使っている界面活性剤がノニオン界面活性剤で、硬度の影響を受けにくいものだからでした。
ただしよくわからなかったものもあります。
「アリエールプロクリーン」は水道水よりもマグネシウム水のほうがよく泡立っていました。
理論としては、金属石けんができている(水が白く濁っている)ということは、泡立ちしにくいということなのですが……どうしてなのかはわからないままです。
もちろん今回の検証は、水に対しての洗剤の量が、洗濯機を使う場合よりもかなり濃くなっています。
なので今回の検証結果がそのまま洗濯でも同じことになるとは言い切れません。
できるだけ洗濯機に近い状態で検証ができるように、もっと良い検証方法を考えます……!
還元漂白の結果は?マグネシウム洗濯の魅力は”消臭”?
前回の水道水にマグネシウム粒をいれるとアルカリ度はどのくらい高くなるのか?を調べる検証では、もう一つ「酸化漂白」も一緒に調べました。
マグネシウムにはもともと還元作用があり、還元作用には色を脱色する作用があります。
花王さんの還元型漂白剤「ハイドロハイター」も、この酸化漂白の仕組みをつかっています。
以前「ハイドロハイター」に同じネイビーのズボンをつけ置きしたところ……こんな風に黄色くなりました。
マグネシウム粒でつくったアルカリ水でも、同じような「酸化漂白」のはたらきがあるのかどうか、おなじネイビーのズボンをつけ置きをして、色の抜け具合をチェックする検証です。
前回はマグネシウム水につけておいて、まだ濡れていたのでお見せできなかったのですが、乾いたので検証結果をおみせします。
アルカリ度が高くなったマグネシウム水に布を入れてみたところ……こうなりました!
右側がマグネシウム水にいれておいたスボンの布、左側が比較をするためにただの水道水に入れておいた布です。
見る限り、水道水とアルカリ水とでは色の違いはありませんね。
マグネシウム水には染料を脱色するほどの漂白効果はないようです。
それもそうですよね、色が落ちてしまうような漂白力があったら、マグネシウム洗濯はできませんからね!
マグネシウムの還元作用による漂白力はありませんでしたが、わたしはマグネシウム洗濯の魅力は「消臭」にあるのでは?と思っています!
というのも、実際にマグネシウム洗濯をされている方のお話を伺うと、汚れ落ちよりも消臭力に魅力を感じている方が多いように感じるんです。
マグネシウム洗濯では、アルカリによる消臭、そして還元作用による消臭、と2つのちからを使うことができます。
アルカリによる消臭とは、中和消臭のこと。
マグネシウム水はアルカリ性になるので、人の身体からでてくる酸性のにおいを中和してくれます。
このアルカリによる消臭であれば、マグネシウムのほかにもセスキ炭酸ソーダなどのアルカリ素材でもできますね!
ですが還元作用による消臭のちからは、セスキ炭酸ソーダにはない魅力です。
この還元作用による消臭効果についても、いずれ検証をしていきたいと思います!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はマグネシウム水の硬度について、いろんな検証をしていきました。
あまり水の硬さって意識しにくいことかもしれませんが、お掃除やお洗濯ではかなり重要なことなんですよ♪
最後の還元作用についても、まだまだ気になることがたくさんあります。
これからもいろんなことを調べていきたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね!
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました。
またお会いしましょう~♪