【洗濯】マグネシウム水のアルカリ度をいろんな条件で検証してみました!
こんにちは、のぞみです。
2021年4月29日に「洗たくマグちゃん」の景品表示法違反について問題になりました。
このニュースは、「洗たくマグちゃん」には洗浄力や消臭力がないと問題になっているのではなく、根拠がないことを書いていたことが問題になっています。
ですが今回の一件を踏まえて「そもそもマグネシウム洗濯にはどの程度の洗浄力・消臭力があるのか?」と疑問を持っている方が多いかと思います。
そこで今回は、マグネシウム洗濯について
・マグネシウム水のアルカリ度は、水とお湯とで違いがあるのか?
・マグネシウム粒を水にいれると、アルカリ度はどこまで高くなるのか?
・水をかき混ぜると、アルカリ度は高くなりやすいのか?
の3つを検証していきたいと思います。
ちなみに今回参考にしたのは、こちらの茂木和哉(@motegikazuya)さんのYouTube動画です!
マグネシウム水のアルカリ度検証テストの手順
今回の検証テストで使うのはAmazonで購入したマグネシウムの粒です。
このマグネシウムの粒を水に入れて、しばらくすると水のアルカリ度が高くなるそうです。
使うマグネシウム粒の量は、水400mlに対しマグネシウム粒9グラムです。
というのもマグネシウム洗濯をしている方のYouTubeを見たところ、普通の洗濯機では水の量が40リットル、マグネシウム粒が900グラムであればマグネシウム洗濯の効果があるそうです。
今回の実験では、その100分の1の量、ということで水400mlマグネシウム粒9グラムで行いたいと思います!
そして用意するのは
①21度の常温水で、マグネシウム粒をかき混ぜないもの
②21度の常温水で、マグネシウム粒をかき混ぜるもの
③38度のお湯で、マグネシウム粒をかき混ぜないもの
④38度のお湯で、マグネシウム粒をかき混ぜるもの
の4つです。
①と②、③と④を比べることで、水をかき混ぜると、アルカリ度は高くなりやすいのか?を。①と③、②と④を比べることで、アルカリ度は水とお湯とで違いがあるのか?を見ていきます。
また、水道水のpHは地域によって差があります。
pH計測器で測ったところ、今回の実験で使った水道水はpHが6.5でした
マグネシウム粒を入れることで、ここからどれくらいアルカリ度数が高くなるのか?も見ていきましょう!
マグネシウム粒をいれてすぐの反応は?
マグネシウム粒をいれてすぐはどんな反応があるのか、気になりますね。
①②のコップには常温水、③④のコップにはお湯を用意し、それぞれ同じ量のマグネシウム粒を入れました。
③と④のお湯のほうは、マグネシウム粒をいれてわりとすぐに反応がでてきました!
気泡がぶくぶくと出てきていて、少し水の色が濁っているように見えます。
どうやらこの気泡は水素のようです。
一方、①と②の常温水のほうは気泡は少ししか出ていません。
水はお湯よりも澄んでいます。
このまま時間をおいて、①②③④がそれぞれどこまでpHが上がるのかを見ていきましょう!
今回の実験は、最大で24時間まで行いたいと思います。
人力の実験なので、実験中ずっと混ぜておくのは難しいのですが、②と④は出来る限り定期的にマドラーでかき混ぜておきます。
それでは、実験開始です!
マグネシウム粒をいれて5分後のpH値は?
マグネシウム粒を入れてから、5分ほど経過しました。
②④のコップは、5分中4分半くらいマドラーでかき混ぜていました。
それでは、①②③④それぞれのpHを測っていきましょう!
今回の実験で使う水道水は、もともとのpHが6.5でしたね。
①常温水でかき混ぜないもののpHは、6.7
②常温水でかき混ぜるもののpHは8.9
③38度のお湯でかき混ぜないもののpHは6.7
④38度のお湯でかき混ぜるもののpHは8.9
でした。
①と③、②と④を見るかぎり、5分後のpHはお湯でも水でも変わらないようです。
そして①と②、③と④の結果から、マドラーでかき混ぜたほうがpHが高くなることがわかります。
マグネシウム粒をいれて20分後のpH値は?
つぎはマグネシウム粒をいれてから20分後のpHを見ていきましょう。
②④のコップは20分のうち、10分くらいマドラーでかき混ぜていました。
①常温水でかき混ぜないもののpHは7.0と
②常温水でかき混ぜるもののpHは9.7。
③38度のお湯でかき混ぜないもののpHは6.9。
④38度のお湯でかき混ぜるもののpHは9.6です。
①②③④のどれも5分後よりもアルカリ度が上がっていますね。
①は、5分後のときより0.3アルカリ度が高くなっています。
そして②と④はアルカリ度数が9.6を超えましたね!アルカリで汚れを落とせるpHは目安として9.5ですので、アルカリ洗濯に使えそうなくらいのpHまで上がりました!
そして5分後のときと同じように、水とお湯とではアルカリ度はほとんど変わらない、かき混ぜたものとかき混ぜないものとではかき混ぜたほうがアルカリ度が高いようです!
マグネシウム粒をいれて40分後のpH値は?
つぎはもう少し長めに放置して、マグネシウム粒を入れてから40分後のpHを見ていきます。
pH測定器にわずかに差が出てくるので、今回はそれぞれのコップで2回ずつ測定します。
まずは1回目の測定です。
①常温水でかき混ぜないもののpHは7.6
②常温水でかき混ぜるもののpHは10.1
③38度のお湯でかき混ぜないもののpHは7.6
④38度のお湯でかき混ぜるもののpHは10.0
でした。かき混ぜている②と④はpH10を超えましたね!
同じ測定器で、もう一回計測しましょう。つぎは2回目の測定結果です。
①常温水でかき混ぜないもののpHは7.7
②常温水でかき混ぜるもののpHは10.1
③38度のお湯でかき混ぜないもののpHは7.6
④38度のお湯でかき混ぜるもののpHは10.0
でした。
40分後のお湯の温度は?
やはりお湯と水とではアルカリ度に差はなく、かき混ぜたほうがアルカリ度が高くなるんですね。
実験開始から時間がたっているので、お湯の温度が気になるところです。
ここで温度計を使って、③と④の温度を測っておきましょう。
③と④のお湯の温度は、実験開始から8度さがって30度になっています。
このお湯の温度は、お風呂の残り湯を想定して、翌日に洗濯水として使うのを想定しています。
洗濯水として使うときに再加熱はしないはずなので、お湯の温度は高めずこのまま使っていきたいと思います。
マグネシウム粒を入れた水で漂白はできる?
②常温水でかき混ぜるもの、④38度のお湯でかき混ぜるもので今回はじめてpH10を超えました!
ここで「酸化漂白」のはたらきがあるかも?という仮説のもとに、1つ別の実験をしてみたいと思います。
マグネシウムには還元作用があり、還元作用には色を脱色する作用があります。
②常温水でかき混ぜるもののコップに、1日ネイビーのズボンをつけ置きしてみて、色が抜けるかを見ていきます。
比較のために、ただの水道水をいれたコップを新しく用意して、同じようにネイビーのズボンを入れておきましょう。
ちなみに花王さんの還元型漂白剤「ハイドロハイター」も弱アルカリ性で、この酸化漂白の仕組みをつかっています。
以前「ハイドロハイター」に同じネイビーのズボンをつけ置きしたところ……こんな風に黄色くなりました。
マグネシウム粒が入った水につけ置きすると、どのくらい色が抜けるのか気になりますね!
マグネシウム粒をいれて4時間後のpH値は?
さて、マグネシウム粒を入れて4時間ほど経過しました。
pH測定器で①②③④それぞれの水のpHを見ていきましょう。
①常温水でかき混ぜないもののpHは9.4
②常温水でかき混ぜるもののpHは10.1
③38度のお湯でかき混ぜないもののpHは9.2
④38度のお湯でかき混ぜるもののpHは9.9
40分経過したときに計測したアルカリ度と、そんなに変わりませんね。
時間がたてばもっとアルカリ度が高くなるのかなと思ったのですが、もしかすると今回の実験のアルカリ度数の上限は10.1なのでしょうか?
つぎの計測は、24時間後にしたいと思います!
マグネシウム粒をいれて24時間後のpH値は?
さて、マグネシウム粒を入れて24時間が経過しました。
早速pH測定器を使って、①②③④それぞれの水のpHを見ていきましょう。
pH測定器にわずかに差が出てくるので、今回もそれぞれのコップで2回ずつ測定します。
まずは1回目の計測結果です。
①常温水でかき混ぜないもののpHは9.7
②常温水でかき混ぜるもののpHは9.7
③38度のお湯でかき混ぜないもののpHは9.7
④38度のお湯でかき混ぜるもののpHは9.7
でした。なんと……4つともアルカリ度が同じになっていますね!
もう一回測りましょう。2回目の計測結果です。
①常温水でかき混ぜないもののpHは9.7
②常温水でかき混ぜるもののpHは9.7
③38度のお湯でかき混ぜないもののpHは9.7
④38度のお湯でかき混ぜるもののpHは9.7
です。やっぱり4つとも9.7のようですね。
②は漂白実験用にジーンズ布を入れているのでアルカリ度数が変化している可能性もありますが、4つとも同じとなればそこまでの影響はなさそうです。
テスト結果をまとめると……?
4つのコップのアルカリ度数は?
ここまでの実験結果を表にまとめました!
実験開始前は、水よりもお湯の方がアルカリ度が上昇するスピードがはやいと予想していました。
でも水の温度は、アルカリ度には影響していませんでしたね。
アルカリ度に関係しているのは、水の温度よりもかき混ぜの有無でした。
一番高くなったのが、②常温水でかき混ぜるものでpHが10.1まで上がりました。
40分度と4時間後でpHが変わらなかったことから、水400mlに対してマグネシウム9gに入れたときのアルカリ度の上限は10.1なのかなと思います。
そして意外だったのが、①②③④の全部が24時間後には同じアルカリ度になったことですね。
実験で使った水道水は、もともとのpHが6.5でした。
丸一日放置すると、水の温度やかき混ぜの有無に関わらず、すべて9.7まで上がるようです。
ちなみに、ナチュラルクリーニング素材のセスキ炭酸ソーダのpHは9.8ほど。
汚れ具合、汚れの量、汚れの落とし方などいろんな条件で汚れの落ち具合は変わってきますが、pH9.7なら十分アルカリによる汚れ落ちは期待できると思います!
漂白力テストの結果は?
②常温水でかき混ぜるもののコップに、1日ネイビーのズボンをつけ置きしてみて、色が抜けるかを見る実験も同時に行いました。
布を取り出して、漂白の効果をみていきましょう。
右側がマグネシウムの水にいれた布、左側が比較用にただの水道水にいれておいた布です。
並べてみると……色は全然変わっていませんね。
布が乾いている状態だと少し違って見えるのでしょうか?
乾かしたあとの結果は、また別の機会にお見せしたいと思います!
まとめ
さて、ここまでマグネシウムの粒を使って、水のアルカリ度がどこまで高くなるのかを実験してきました。
マグネシウム洗濯については、わたしもまだまだ知りたいことがたくさんあるので、引き続きいろんな実験をしていきたいと思います!
まずはマグネシウムを入れることで、水の硬度がどのくらい高くなるのかが気になりますね。
硬度を測る機械を買って、こちらも実験していきたいと思います。
それと、マグネシウムと洗濯洗剤を一緒に使うと、洗剤の洗浄力が失われてしまうと聞いたことがあります。
でもアニオン界面活性剤なら奪われるけれど、ノニオン界面活性剤だと影響を受けないとか……?
これが本当なのか、マグネシウムと洗剤の相性も調べてみたいと思います。
あとはスクワレンを使って人工的に皮脂汚れをつくることも計画しています!
これからもいろんなことを調べていきたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね!
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました。
またお会いしましょう~♪