【マニアック解説】油汚れ用洗剤「洗い天狗三兄弟」をマニアック度強めで作り手が解説!【掃除術】
こんにちは!のぞみです。
今回は茂木さんが販売しているある洗剤シリーズについて紹介していこうと思います!
それが…、
こちらの天狗シリーズです!
業務用に作られた油汚れ洗剤シリーズですが、一般の方でも購入できます♪
ということで本記事では、茂木さんの「青天狗」、「赤天狗」、「白天狗」、そして派生品である「なまはげ 油汚れ用」についてそれぞれ紹介していきます!
因みに参考にするのは…
こちらの茂木和哉(@motegikazuya)のYouTube動画です↓
青天狗について
ではまず、天狗シリーズの中では最も初めに開発された「青天狗」について見ていきましょう!
一体どのような洗剤なのでしょうか?
成分
初めに気になる成分から見ていきます
青天狗の裏の成分表には…、
・界面活性剤(7.6%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸カリウム)
・けい酸塩
と表記があります
まず「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」と「ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド」についてですが、これらはいずれもノニオン界面活性剤という種類の成分です
また「脂肪酸カリウム」は水石鹸のことですね
そして最後の「けい酸塩」はアルカリ剤として入っています
なおアルカリ剤としては水酸化ナトリウムを入れる場合がほとんどですが、けい酸塩はこれに比べアルカリ度が高くありません
しかしアルカリ剤全体でみるとけい酸塩も十分高い部類に入り、ゆえに役目はしっかり果たしてくれるでしょう
またけい酸塩には金属と触れた瞬間被膜ができるという性質があります
これによってアルカリ剤による金属の腐食(サビ)を未然に防いでいるのですね
特徴
先述したように青天狗にはノニオンの界面活性剤と水石鹸、そしてけい酸塩が含まれています
界面活性剤はどれも安全性が高く、けい酸塩はサビを防ぐ効果のあるアルカリ剤です
よってこの洗剤は焼肉屋さんが常用する洗剤として、非常に重宝します!
というのも仕事で洗剤を使われる方は手に洗剤の成分が頻繁に付着しますよね
ゆえに他の方に比べて肌が荒れやすいです
しかしこの青天狗に含まれている界面活性剤はどれも安全性が高く、他の業務用洗剤に比べて肌荒れのリスクが低いでしょう
また焼肉に使うロースターの上には、真鍮素材の金色をしたパーツが付いていることがあります
ここを水酸化ナトリウムの入った洗剤で洗ってしまうと、真鍮がサビしまい、黒く変色するのです
アルカリ剤としてけい酸塩が採用されている青天狗ならば、サビのリスクもある程度抑えられます(全くサビないわけではありません)
もちろんロースター以外の場所にも使え、かつシンプルな配合ゆえに価格も抑えめです
よって、万能的に厨房からホールまでを掃除したい方にはとてもおすすめの洗剤となっています♪
因みにスプレーした際の泡の様子は…、
このようになっており、pH値は13ほどです
赤天狗について
では次に青天狗の横展開である赤天狗について見ていきましょう!
青天狗とは一体どのような違いがあるのでしょうか?
成分
初めに青天狗同様、成分から見ていきます
赤天狗の裏の成分表には…、
・水酸化ナトリウム(5%以下)
・グリコールエーテル系溶剤
・界面活性剤(4.2%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩)
・キレート剤
と表記があります
まず「水酸化ナトリウム」についてですが、こちらは先述の通りアルカリ剤としての役割です
けい酸塩よりも強いため、サビを発生させてしまうリスクもありますが、その分洗浄力は高くなっています
また界面活性剤として含まれている「アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩」はアニオンの界面活性剤ですね
(水酸化ナトリウムの配合によって現行の界面活性剤が上手く混ざらず、色々試して見つけたのがこの界面活性剤だったらしいです)
そして「溶剤」や「キレート剤」という表示もありますね
特徴
先述した成分から分かる通り、赤天狗は青天狗に比べ洗浄力がとても高いです!
正直青天狗は真鍮素材がサビないように作ったため、どうしても洗浄力では若干劣ります…
そこで開発されたのがこの赤天狗というわけですね♪
厨房の床や調理器具の周りなど、ガンコな油汚れにはこちらの赤天狗の方が適当だと思われます!
なお泡の様子は…、
このようになっていて、天狗シリーズの中では一番さらさらしている印象です
泡持ちが悪い、と言ってしまうと微妙ですが、浸透力や汚れの分解スピードを早めるためには、このようなさらさらした泡の方がいい場合もあります
茂木さん曰く、これを狙って敢えて赤天狗の泡をさらさらさせている、とおっしゃっていました
またpH値に関しては13.7程度の値をたたき出しました
非常にアルカリ度が高いですね
白天狗について
それでは天狗シリーズのおおとり、白天狗について解説しましょう♪
他の天狗たちとの差別点に注目してください!
成分
初めに青天狗同様、成分から見ていきます
赤天狗の裏の成分表には…、
・界面活性剤(8.4%、脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド)
・炭酸塩
・水酸化カリウム(5%以下)
・グリコールエーテル系溶剤
・除菌剤
・キレート剤
と表記がありました
まずアルカリ剤として入っている「水酸化カリウム」についてですが、こちらは水酸化ナトリウムに比べ、若干高い洗浄力、そして水と混ざりやすいという性質をもちます(ただし原価は少々高めです…)
また「除菌剤」にはカチオンの界面活性剤を配合しているらしいです
そして赤天狗と比較して界面活性剤の配合量の多さが目立ちます
一体どのような違いが生まれてくるのでしょうか?
特徴
白天狗は赤天狗のバージョンアップ品として開発された過去があり、その内容は「赤天狗の洗浄力を維持しつつ、除菌力と泡持ちを追加した洗剤」というものです!
実際除菌剤が含まれていることや、赤天狗に比べ多くの界面活性剤が配合されていることからもこのコンセプトはしっかり伝わってきます
なので泡の様子は…、
このように壁面に対して強い密着力を発揮しています!
またpH値に関しても赤天狗と同等の13.7程度と出ました
しっかり油汚れを落としつつ、除菌もしたいという方向けの洗剤となっています
なお白天狗を薄めて使えばホール掃除にも使えるため、青天狗の代用としても使えます♪
なまはげ 油汚れ用
最後に番外編として、天狗シリーズが元となって作られた「なまはげ 油汚れ用」について簡単に紹介します
こちらは青天狗の配合成分を元に作られた洗剤で、青天狗以上、赤天狗以下の洗浄力を誇ります
青天狗には入っていない「エタノールアミン」という、油汚れに対して非常に高い洗浄力を発揮する成分(もはや溶剤に近いレベル)が配合されているのです!
なお以前は現在のパッケージと違うもので販売されていました
2014年には日テレの「月曜から夜更かし」というテレビ番組にて紹介され、とても人気に拍車がつくという過去もありましたね(それゆえに転売する方が現れて、当時の価格が高騰してしまったという苦い思い出もありますが…)
価格は青天狗より高いものの、家庭用洗剤において重要な使いやすさという点において優秀なので、気になった方は是非上記のリンクから飛んでチェックしてみてくださいm(__)m
まとめ
いかがでしたか?
今回は茂木さんの作る油汚れ落とし洗剤の原点ともいえる、天狗シリーズについて解説してきました!
因みに青天狗と赤天狗を開発した当時、ある焼肉屋さんの店長さんにご協力いただいたという製作秘話があります
その店長さんはその後独立し、現在は秋田駅前で自分の焼肉屋を営んでいます
「炭火焼肉 久(きゅう)」と言って、食べログ評価で常時4以上をたたき出す名店なので、秋田を訪れた際には是非立ち寄ってみてください♪
画像元:「炭火焼肉 久 |秋田で人気の焼肉店の公式サイト。秋田駅近くの焼肉屋」2021年11月24日確認
ただし予約しないとなかなか入店できないので、予約は必須でしょう(上記のホームページに載っている番号から電話でのご予約ができます)
ではご精読ありがとうございました!
またお会いしましょう♪