【徹底解説】アタック高活性バイオEXとアタック高浸透リセットパワーの違いと特徴【粉末洗剤】
こんにちは!のぞみです。
先日、花王の新商品アタック3Xの解説動画を挙げさせていただきました所、
思っていた以上に反響が良かったようで、コメントもたくさんいただきました!
沢山のコメントありがとうございます!
▼動画はこちらから↓
そのコメントの中に、
「花王アタックの粉末タイプの洗濯洗剤の解説もして欲しいです」というリクエストがありましたので、今日はアタックの粉末タイプの洗濯洗剤のレビューをしていきたいと思います。
アタックの2つの粉末洗剤
今回比較紹介するのは、1つは「アタックバイオEX」。
そしてもう一つは、「アタック高浸透リセットパワー」です。
こちらはワイドハイターと共同開発ということで書かれています。
この2つを、成分などを見比べて思うことをお話していきたいと思います。
※あくまでも個人的な意見ですし、
もしかすると勘違いしていることとか間違ってることがあるかもしれません。ほんのちょっとだけ参考にする程度でご覧いただけたらと思います。
アタックバイオEXの成分
ではまず「アタックバイオEX」を見ていきましょう。
液性は弱アルカリ性です。
●ポリオキシエチレンアルキルエーテル
●直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
この2つが界面活性剤で、合わせて23%配合されています。
粉末なので界面活性剤が結構多いのかなと思ったのですが、23%しか入っていないのだなという印象です。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルはノニオン界面活性剤で、
安全性は高めのものとされています。
そして直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムというのは、アニオン界面活性剤です。これは洗浄力が高い反面、肌への刺激もあるので、洗剤残りすると気になる成分ですね。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、
台所洗剤の方ではほとんど使われなくなった界面活性剤ですが、
洗濯洗剤にはまだ一部使われているものがあるんです。
(※LASと言ったりもします)
●アルカリ剤(炭酸塩)
これは、弱アルカリ性にするために配合されています。
もちろん中性よりも弱アルカリ性の洗剤の方が洗浄力が高いものが多いです。
大体どこのメーカーも、粉末タイプは弱アルカリになってますから、
液体洗剤よりも洗浄力高めのものが多いのかなという感じがします。
●水軟化剤(アルミノけい酸塩)
界面活性剤は硬度分が多いと、ちょっと影響されたりする部分があるので、
その影響を受けて洗浄力が弱くならないようにするために入れているものです。
水を軟水側にする働きがあります。
●工程剤(硫酸塩)
硫酸塩というのは硫酸ソーダ(芒硝)の事で、入浴剤などにもよく入っています。
液体の洗剤であれば界面活性剤の他のほとんどの部分が水なのですが、
粉末洗剤だと界面活性剤は23%しか入っていません。
かといってそれ以上洗浄成分も入れるとコストが高くなりますし、
水のようなものも入れられませんよね。
そういったときに粉末洗剤のはかさ増しみたいな形として使われるのが芒硝です。
芒硝は私も商品開発の際によく使います。
●分散剤
洗濯していると水が汚れで濁ってきますよね。
それが洗濯の方に戻らないようにするという働きのものです。
●蛍光増白剤
蛍光灯白剤というのは、洗濯し終わって必ず残る成分です。
洗濯洗剤に使われている成分で、必ず残る成分というのは2つがあります。
ひとつが今お伝えした蛍光増枠で
そしてもうひとつが香料です。香料が残らないとあのニオイ出ません。
ということで肌の弱い方や肌がまだ弱い未熟な赤ちゃんとか小さなお子さんというのはちょっと注意しないといけない成分です。
ただ一概に悪者というわけでもなくて、300円以下といった非常に安い価格で買えるというメリットもあります。
私がこれ使う作るとすると相当高くなっちゃうんですよ。
大手ならでは大手だからこそ安くできるんです。
大手メーカーの商品が安くなっている要因は、価格競争が進んでいるからです。
大手メーカーの開発時は、「価格は安くする必要があるけど、洗浄力も落としたくない。界面活性剤の配合量も減らしたくない。」「これ以上減らすと汚れ落ちに影響が出る」などといったように、
コストと効果のバランスを模索しながら様々な議論がされます。
そういった時、汚れ落ちの部分をカバーするために蛍光増白剤を入れる事があるんです。
蛍光増白剤を入れることで白く見えるようになるので、
洗浄成分を減らしたがゆえに残った汚れも目立たなくなります。
まあ正確に言うとごまかすみたいなことが出来るのです。
なので、「安い洗剤が欲しい、でも白く洗い上げたい」というお母さんたちにはやっぱりニーズがあります。
例えばスポーツやってるお子さんがいますとかそういったときには非常にこの蛍光増白剤というのはプラスに働きます。
高校生の子供がいるお母さんには、
「毎日部活で汗皮脂汚れがたっぷりついたスポーツウエアを洗わないといけない」
「兄弟が2人3人いて洗濯物の量が多くて大変」
「肌は全然弱くない」
といったような方は沢山いらっしゃいます。
そういったお母さんたちのお悩みには解決できるのが蛍光増白剤です。
一方で、肌への影響が出るというデメリットもあるので、どんな成分どんな洗剤でもメリットデメリットあるという事ですね。
それをしっかり踏まえて選ぶというところが大切になってくるのかなと思います。
●酵素
箱を開けると、緑とか青のつぶつぶが入っているかと思いますが、
それがまさに酵素です。
つぶつぶの密度が濃いと、酵素が沢山入っているということになります。
どんな酵素があるかというと、
タンパク質分解酵素、油脂分解酵素、でんぷん分解酵素、そして繊維分解酵素。
この4つがありまして花王のことですから、4つ全て入れているのかなと思います。
この4種の原料は、一つ一つ非常に高価で量も大きいです。
しかも長く置いておくと酵素の働きが弱ってくるので、
小さなメーカーだと酵素4つを在庫揃えて使っていくことはなかなか難しいです。
酵素を4つ使ってて、尚且つ300円未満で買えるというのは、
実は大手だからこそ実現できる大きなメリットなんです。
アタック高浸透リセットパワーの成分
次は、「アタック高浸透とリセットパワー」を見ていきましょう。
これはワイドハイターEXパワーと共同開発ということで、
同じ花王のブランドなんですけれども部署がまったく違うという事だと思われます。
「界面活性剤 22%」ということなので、
「アタックバイオEX」よりも1%こちらの方が低いですね。
また、液性は弱アルカリ性です。
●直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)
●ポリオキシエチレンアルキルエーテル
この2つ合わせて22%界面活性剤が入っているということなのですが、
「アタックバイオEX」とは表記の順番が違いますね。
「アタック高浸透リセットパワー」では、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの表記が一番先にきている=直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量が多いという事になります。
界面活性剤だけで見ても、恐らくこちらの方が洗浄力が高いのかなというふうに見えます。
※LASの方がポリオキシエチレンアルキルエーテルよりも洗浄力が結構高いとされているので。
●水軟化剤(アルミノけい酸塩)
●アルカリ剤(炭酸塩)
●工程剤(硫酸塩)
これら3つは、先ほどと同じですね。
●漂白剤漂白剤
これは過炭酸ナトリウムのことだと思います。
漂白剤が入っているという点が、
「ワイドハイターEXパワーと共同開発してる」ということになるのかもしれません。
●分散剤
●柔軟剤
柔軟剤も入っているのはポイントですね。
「アタックバイオEX」の方は柔軟剤成分は入っていませんでしたね。
●蛍光増白剤
●酵素
これは先ほどと同じですね。
2つアタックの違い
以上、2つの商品の成分をぱっと見てみた印象としては、
1、界面活性剤の配分の違い
界面活性剤の種類は同じだけれども、
「アタック高浸透とリセットパワー」の方が、洗浄力が高い直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)の方をいっぱい入れているということ。
一方で「アタックバイオEX」は、安全性が高いポリオキシエチレンアルキルエーテルの方を多く入れているということです。
2、漂白剤の有無
「アタック高浸透とリセットパワー」の方にだけ、漂白剤が入っているという点も異なる点ですね。
以上を総合的に見ると、「アタック高浸透とリセットパワー」の方が洗浄力が上なのかなということがわかりますね。
HPから詳細をチェック
では次に、花王のホームページを見てみたいと思います。
ホームページを見るともっと詳しく成分が書いてあるんです。
アタック高活性バイオEX
・炭酸塩(アルカリ剤)
・アルミノけい酸塩水(水軟化剤)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル
・硫酸塩(工程剤)
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
・ベントナイト(工程剤)
これは恐らく湿気取り・吸水剤だと思います。
湿気で固まるのを防ぐための工程剤でしょうね
・ポリアクリル酸ナトリウム(分散剤)
ポリアクリル酸ソーダ、いわゆるローションのことです。
以前の「アタック3X」の成分をご紹介した時にも出てきた成分ですが、
その時は”アクリル酸塩系共重合物”といった、非常に難しい表記がされていました。
私もポリアクリル酸ソーダは業務用の洗剤を作るときによく入れてますね。
・塩化ナトリウム(工程剤)
これはずばり塩のことです。
ただ、何のために塩を入れてるかはちょっと分かりません。
・水
粉末洗剤なのに水も入っているんですね。
こちらも理由はちょっと分からないです。
・ポリエチレングリコール(分散剤)
分散剤が2種類入っているということになりますね。
・純石けん分(脂肪酸ナトリウム)(界面活性剤)
界面活性剤として石けんも入れているということなのですね。
石鹸は硬度分にものすごく影響を受けるので、
水軟化剤(アルミノけい酸塩)が入ってますけれども、
これが入っているからこそ石鹸もよく働けるということに繋がってきます。
・酵素
・亜硫酸ナトリウム(安定感剤)
これは脱塩素材としておなじみの成分です。
・香料
香料は大手の洗剤にはほとんど入ってます。
ただ、匂いがあまりにもきつい洗濯洗剤や柔軟剤は害になりますよということで最近問題視されてもいますよね。
ブームもありますが、最近は落ち着いた臭いの方がニーズが高まっていますね。
・けい酸塩(アルカリ剤)
アルカリ剤としては、炭酸塩とけい酸塩の2種類が入ってるということになりますね。
・蛍光増白剤
・着色料
ということですね。
アタック高浸透リセットパワー
・アルミノ珪酸塩(水軟化剤)
・炭酸塩(アルカリ剤)
・硫酸塩(工程剤)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)
箱の方には「漂白剤」とだけ記載されていましたが、HPには「過炭酸ナトリウム」と明記されていますね。
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
・ベントナイト(工程剤)
・ポリアクリル酸ナトリウム(分散剤)
・塩化ナトリウム(工程剤)
・水(工程剤)
・純石けん分(脂肪酸ナトリウム)(界面活性剤)
・ポリエチレングリコール(分散剤)
ここまでは同じですね。
・アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(漂白活性剤)
これはこちらの商品にしか入っていない、“漂白活性剤”と呼ばれるも成分です。
漂白活性剤自体には漂白力はありませんが、
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)と一緒に入れる事で、漂白力をグンとアップさせることが出来ます。
ドラゴンボールの孫悟空がスーパーサイヤ人になるみたいなイメージですね。
漂白活性剤そのものもかなり高価ですが、酵素のようにすぐに劣化する事もありません。
もちろん漂白活性剤単体でも販売されています。
特に洗濯はお湯でやったほうが汚れ落ちが良いとされていますが、
酸素系の漂白剤がつけ置きも同じで、お湯でやったほうが効きが良いです。
でも洗濯って必ずしもお湯を使うっていう方ばかりじゃなく、
水を使うときもありますよね。
そんなときに漂白剤の効きがものすごく悪くなるんですが、
漂白活性剤が入っていると水が冷たくても漂白力を出してくれます。
洗濯洗剤に漂白剤+漂白活性剤が入っている場合、
水温をそんなに気にすることなく汚れ落ちが良くなるということなので、
入ってて嬉しい成分と言えるでしょう。
・酵素
・けい酸塩
・香料
・蛍光増白剤
・着色料
このあたりの成分は同じですね。
買うとしたらどっち?
ここまで2つの成分を比較してきましたが、
やはり「アタック高浸透リセットパワー」の方が洗浄力高いように思いますし、迷ったらこちらを買うことをおススメします。
酸素系漂白剤が入っているので、生乾き臭がつきにくかったり、ついた臭いも取れたりします。
ちなみに「アタック高浸透リセットパワー」を使用する際、
洗濯機洗いの前に「つけ置き洗い」を挟むと、さらに効果的です。
例えば、食べこぼし汚れや・汗じみ汚れ・汗のニオイ・黄ばみなど、
しつこい汚れがあるときは、
いったん桶や洗濯槽などにお湯で1~2時間つけ置きした後に、洗濯機で通常通り洗ってみて下さい。
このようにすると、酵素の働き・酸素系漂白剤の働きを十分に生かせて、格段に汚れ落ちがよくなります。
※もちろん「アタック高活性バイオEX」でも同じやり方はできますが、
酸素系漂白剤が入っている「アタック高浸透リセットパワー」の方がより効果的と言えます。
「アタック高活性バイオEX」の方を使っている方で、酸素系漂白剤の効果が欲しいという方は、単純に過炭酸ナトリウムを追加で入れれば解決です。
ただその場合、漂白活性剤が入ってないので、できれば暖かめのお湯を使ったほうがより効果的です。
裏に使い方書いてるんですけれども、
やっぱりこっちの「アタック高浸透リセットパワー」はさっきお伝えしたようなことを書いています。
1、水ぬるま湯に洗剤を溶かします
2、衣類をつけをきします
3、他の洗濯物と一緒に洗います
ということで書いています。
水よりも絶対ぬるま湯(40~50度)の方が良いです。
「アタック高活性バイオEX」は”バイオ酵素の力”ということで
繊維表面はもちろん多くの汚れも引き出し落とします。
更に、「落ちた汚れが再び体につくのを防ぎます」との記載もありますね。
もちろん酵素の働きもあるでしょうし、分散剤の働きも合わさってこのような働きになっているのだと思います。
酵素の働きの中でも特に繊維分解酵素がよく働いているのかもしれません。
※繊維分解酵素・・・繊維の中に入っている汚れが洗浄液の方に出やすくなるという働き。
更には、冷たい水でも素早く溶けるという特徴があるとの事ですが、とはいえ溶けないときはありますよね。
冬場なんかは特に、ある程度溶かしてから入れるなどの工夫が必要だったりします。
溶け残りがあるとそれだけ洗剤残りもしてしまいます。
特に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムという界面活性剤の中では強めの成分の場合、洗剤残りすると肌へ影響が出心配です。
さらに蛍光増白剤も入っているので、溶け残りというところはできる限りしないように、しっかり溶かしてから入れるなどの対策が必要になると思います。
まとめ
茂木さん、ありがとうございました!
今回は、「アタック高活性バイオEX」と「アタック高浸透リセットパワー」の違いを成分表をもとにご紹介させていただきました。
どちらも頑固な汚れには
特に、「アタック高浸透リセットパワー」に含まれる、
酸素系漂白剤+漂白活性剤の組み合わせはとっても期待できそうですね!
スポーツされている方や、外でお仕事されていて作業服がとても汚れるという方には、是非一度試していただけたらと思いました。
また、粉末洗剤って、何となく溶け残りが心配であまり使ったことがなかったのですが、お湯を使ったり、一旦粉末を溶かして使ったりなど、工夫次第で溶け残りを防ぐことが出来そうですね。
今回もここまで御覧いただきありがとうございます。
それでは、またお会いしましょう♪