のぞみの記事

【徹底解説!】次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違いとは?【殺菌術】

suura
のぞみ

こんにちは!のぞみです。

感染拡大を続ける新型コロナウイルスの対策として、除菌剤への関心が高まっています
帰宅時や入店時に行う手のアルコール除菌はもちろん、家庭内の物や壁などに対する除菌も大切です
そんな物の除菌という観点で注目が集まっているのがジアニストをはじめとする次亜塩素酸水です!


実際、NITE(ナイト)というコロナウイルスに効果のある除菌剤についての評価をしている機関によると、「一定の濃度以上の次亜塩素酸水が、新型コロナウイルスの消毒に対して有効である」らしいです
なお後述する参考動画内では、まだ有効性について不確定との情報しかない、と紹介していますが、動画撮影後にナイトによる評価が更新されました
(参考:「新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめました。~物品への消毒に活用できます~ | ナイト | 製品評価技術基盤機構」https://www.nite.go.jp/information/osirase20200626.html,2021年5月31日確認)

しかしいくら有効と言われても、これまであまり馴染みのなかったものに変わりありません
そこで今回はこの次亜塩素酸水の除菌剤としての有効性について、よく混同される次亜塩素酸ナトリウムとの違いをメインに紹介していきたいと思います!

因みに参考にするのは…
こちらの茂木和哉(@motegikazuya)のYouTube動画です↓

次亜塩素酸水と次亜塩素酸Naの違い

よく混同される次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムですが、一体どのような違いがあるのでしょうか?
まずはその差異についてまとめていきましょう♪

塩素濃度の違い

塩素剤といってもいくつか種類があるのですが、ざっくり塩素濃度ということばでまとめた場合、次亜塩素酸ナトリウムの方が次亜塩素酸水よりも濃度が高いです

例えば次亜塩素酸ナトリウムが入っている塩素系漂白剤として名前が挙がる「カネヨブリーチ」
この商品の塩素濃度は5%が目安です(茂木さんが直接カネヨに電話して確認されたそうです)
また「ハイター」に関しても、生産時の塩素濃度は約6%で、その後は日が経つにつれて濃度が薄まっていく、と花王のホームページに記載があります(下の画像の赤線部分を参照)

(画像引用:「花王 | 製品Q&A | 花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?」https://www.kao.com/jp/qa/detail/18916.html,2021年5月31日確認)

ここで塩素系漂白剤における5~6%の塩素濃度を、mg/L(以降は上記の画像にもある「ppm」という表記で書きます)に直すと50000~60000ppmという値になります
一方次亜塩素酸水に関しては、高いものでもせいぜい500ppmの塩素濃度というのが大抵です
つまり塩素濃度という観点でいうならば、次亜塩素酸水よりも次亜塩素酸ナトリウムの方が100倍以上濃度は高いということになります!

pH値の違い

はじめに着目するのはpH値、つまり液性の違いです!


ざっくり言うと次亜塩素酸水は弱酸性、一方次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性です

ではpH値と除菌効果にどのような関係があるのでしょうか?
その答えは中に入っている次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの割合にあります
先程塩素濃度に関する内容の冒頭で、「塩素剤といってもいくつか種類がある」と軽く注釈を入れました
このいくつかある塩素のうちの2つが、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンなのです!
そしてこのうち除菌効果がより期待できるのは次亜塩素酸の方です(次亜塩素酸イオンにも除菌効果はありますが、比較すると次亜塩素酸の方が高いという意味です)

つまり“塩素濃度が高い”からといって、それは次亜塩素酸イオンの含有量が多いのが原因だった場合、塩素濃度が低くても中に含まれる次亜塩素酸の含有量が多い塩素剤と比較すると、除菌力では劣ることがあります
その次亜塩素酸の含有割合について参考になるのがpH値なのです!

では動画内で茂木さんが用意してくれた図を使って説明しましょう

(図ので囲まれた値は次亜塩素酸の濃度,で囲まれた値はpH値になります)

図を見てもらえばわかるようにpH値が4~6、つまり弱酸性の時、除菌効果のある次亜塩素酸の濃度はとても高い値となっています
そして先述した通り次亜塩素酸水は弱酸性の塩素剤です
つまりアルカリ性によっている次亜塩素酸ナトリウムよりも次亜塩素酸水の方が除菌効果は高いということがお分かりいただけるでしょう

なお強酸性により過ぎてしまうと、図にもある通り有毒な塩素ガスが発生するため、酸性であればよい、ということでもないのがネックです

各塩素剤まとめ

では塩素剤の除菌効果についてある程度の紹介したところで、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム、あるいは他の塩素剤に関して簡単にメリットやデメリットをまとめていきましょう♪

次亜塩素酸水について

まず次亜塩素酸水に関してですが、メリットは繰り返しになりますが、薄い塩素濃度でも強い除菌効果があることです!
これは先述した次亜塩素酸が多く含まれていることに起因します
この特徴により、素材を傷めにくい次亜塩素酸水は物に対する除菌剤としてよく用いられるのですね♪
もちろん肌などの人体に対する危険性も比較的低いことから、薄めて手の除菌に使っているという方も多いでしょう
また塩素濃度が低いということは、その分塩素臭が少ないということでもあるので、匂いが気になる人にとっても安心です
最後に塩素濃度の薄さは原液の安全性の高さにも関わります

ただし塩素濃度が低さは、塩素が飛ぶことによってただの水に近づいてしまうというデメリットも招きます
次亜塩素酸は光や熱によって勝手に分解されてしまうため、実際使う時に一体どれほどの次亜塩素酸を含んでいるのかよく分からない、という不安感を感じざるを得ません…
またコスパに関しても、次亜塩素酸ナトリウム、つまり塩素系漂白剤などと比べると悪いです
例えばAmazon(2021年6月1日現在)においての、2500mL入りジアニスト(次亜塩素酸水)の価格は2,000円であるのに対し、同量のハイター(次亜塩素酸ナトリウム)の価格は636円です

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次亜塩素酸ナトリウムについて

次に次亜塩素酸ナトリウムのメリット・デメリットに関してですが、まずメリットとしては大手の企業が作っている商品が多い、という点が考えられます
次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系漂白剤の有名どころ、「ハイター」や「カネヨブリーチ」などは、花王、カネヨといった大手のメーカーの主要商品です
つまり近くのスーパーやドラックストアなどで簡単に購入できるということ、そして何より大手の企業が展開している商品であるがゆえに信頼性が高いということが大きなメリットになります
また次亜塩素酸ナトリウムも次亜塩素酸水同様、放っておくと塩素が抜けてしまうのですが、次亜塩素酸ナトリウムの方が元の塩素濃度が高い分、同じ量の塩素成分が飛んでも水に近づきにくい点も高評価です
(例えば500ppmという同じ量の塩素が飛んだ場合、次亜塩素酸水(約500ppm)はほぼ水になりますが、次亜塩素酸ナトリウム(50000~60000ppm)はほぼ飛ぶ前と同じ塩素濃度を維持できます)
なおそもそもハイターなどには水酸化ナトリウムという強いアルカリ剤を入れているため、次亜塩素酸水に比べ塩素が飛んでいきにくいという性質もあります

しかし除菌剤として使う場合には次亜塩素酸ナトリウムのデメリットが目立ってしまいます
次亜塩素酸が次亜塩素酸水に比べ多く含まれていない次亜塩素酸ナトリウムであるため、次亜塩素酸水と同じ除菌効果を求める場合、どうしても次亜塩素酸ナトリウム自体の量を増やす必要があります!
そうなると元々濃い塩素濃度のせいで素材が傷むリスクが高まったり、塩素臭がよりきつくなったりします
そもそも除菌効果云々以前に、塩素濃度が次亜塩素酸水の100倍という時点で、危険性という観点から見るとデメリットが際立つというのは仕方ないことでしょう

その他の塩素剤について

塩素剤にはいくつか種類がある、と言った通り、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウムの他にも数々の塩素剤が存在します
例えば、次亜塩素酸カルシウムやトリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどが有名ですね♪
そして今回この中でピックアップするのはジクロロイソシアヌル酸ナトリウムという塩素剤です
この塩素剤が配合されたカビ取り剤としておすすめなのが「黒木真白」です!

元々業務用の木部に生えた黒カビ落とし用カビ取り剤ですが、通販サイトなどで一般の方にも販売しています

ではどのようなところがおすすめなのかというと、まずは塩素濃度に関してです
なんとこの黒木真白の塩素濃度は60%、つまりハイターの10倍もあるのです
ハイターの10倍と言われると危険性が高いと思われる方も多いでしょうが、その心配もありません
何故ならこの黒木真白は顆粒タイプであり、よって液跳ねの心配がないからです

またpH値に関しては6.6、つまりほぼ中性です
先ほど出した図を再度見ればわかる通り、6.6のライン上では次亜塩素酸も多く含まれているため、黒カビ除去だけでなく、除菌効果も期待できます♪

そして何よりのメリットとして、顆粒のまま保存しておけば塩素が全くといっていいほど飛んでいかないことが挙げられます!
要するに他の塩素が勝手に飛んでいってしまう塩素剤に比べ、黒木真白を使えば、塩素濃度の計算、およびそこから考えられる除菌効果の推定がしやすいのです!
これは除菌効果に対する信頼性にも繋がってくるためとても大事な要素ですね

気になった方は、上記のリンクからチェックし、購入のご検討をされてみてはいかがでしょうか?

まとめ

いかがでしたか?
今回は次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウムを中心に、塩素剤の除菌効果についてまとめてきました!

塩素剤に関しては、除菌効果はもちろん、安全性や信頼性、コスパなどに関しても重要な要素です
もしどの塩素剤で除菌をするか悩んでいる場合は、こちらの記事や動画を参考にご自身に合った塩素剤の使用をしてみてくださいね♪

ではご精読ありがとうございました!
またお会いしましょう♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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