話題の「あの洗剤」実際どうなの?成分・効果を徹底解説!
こんにちは!のぞみです。
今回は茂木和哉さんと一緒に、「茂木和哉のお掃除お悩み相談室」に届いたお悩みをご紹介していきます!
ちなみに今回のお悩み相談は、
こちらの茂木和哉(@motegikazuya)のYouTube動画を参考にしています↓
今回のお悩み相談はこちら!
最近インスタでよく見る、「あの洗剤」という商品について重曹とクエン酸で強力パワーとと謳われていますが中和作用で意味がないような気がします。
茂木さんのご意見を聞かせていただきたいです。
なるほど~。「あの洗剤」は私もインスタグラムでよく見ます。確かに効果の程、気になりますね。
茂木さん、今回のご相談はいかがでしょうか?
まずは成分をチェック
「あの洗剤」、SNSで流行っているんですね。
ネットで調べてみたところ、Amazonに成分表が上がっていましたので読み上げますね。
・界面活性剤(9%)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・ラウリル硫酸ナトリウム
・炭酸ナトリウム
・過炭酸ナトリウム
・炭酸水素ナトリウム
・アルカリ剤
・ph調整剤
・香料
・酵素
なんだか色んな成分が入っていますね。これらの成分についてはどう思われますか?
洗剤にしては界面活性剤の配合量が少ないですし、酸素系漂白剤として考えると逆に界面活性剤の量が多いといった感じでしょうか。
成分の並びからしても、洗剤と酸素系漂白剤の真ん中くらいに位置したものという印象ですね。
成分ごとに見ていきましょう。
・界面活性剤(9%)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル
これらの成分は安全性が高いです。
・ラウリル硫酸ナトリウム
これは、あまり良いイメージはありません。気になる方はGoogleで検索していただけたらと思います。また、「ラウリル硫酸ナトリウム」という表記は化粧品の成分として使用されることが多く、通常は洗剤の成分表記には使用されないので、珍しいですね。
ラウリル硫酸ナトリウムは、ヤシ油からも石油からも出来ますが、
一般的に誤解されがちなのが、「ヤシ油由来=安全、石油由来=危険」という説ですが、これは間違いなんです。どちらの原料から出来たとしても、「ラウリル硫酸ナトリウム」自体は、安全性も危険度も成分も特性もすべて一緒なのです。
・炭酸ナトリウム
アルカリ剤の一種で、重曹やセスキの類でもっともphが高いものです。
・過炭酸ナトリウム
酸素系漂白剤です。過炭酸ナトリウムが配合されているとある程度の汚れは落ちます。
・炭酸水素ナトリウム
重曹の事です。重曹にはクレンザー効果がありますよね。
ただ、もし私がつけ置き洗いのような酸素系漂白剤に近いものを作るなら重曹は入れません。
なぜなら、重曹はアルカリ度が低いからです。
重曹を入れずにその分、「炭酸ナトリウム」「ケイ酸ナトリウム」のようなphの高いものを入れた方が、同じ配合量をつけ置きした場合のアルカリ度は上がるので油汚れも取れやすくなります。
しかし、あえて「あの洗剤」に重曹が配合されている理由は、つけ置き以外にもクレンザー代わりとしての使い方も出来るからという事のようです。
・アルカリ剤
炭酸水素ナトリウムもアルカリ剤の一種なので、何が入っているか不明です。
ケイ酸ナトリウムやリン酸ナトリウムなどでしょうか・・・。
いずれにしても表記の必要がないくらいの少量と思われます。
あとは、ph調整剤、香料、酵素ですね。
4つのゼロ(不使用成分)
それでは次に、「4つのゼロ」と謳われている、使用されていない成分を見て見ましょう。
不使用① 蛍光増白剤(皮膚刺激、アレルギー、環境汚染)
そもそも、蛍光増白剤は酸素系漂白剤が入っているものには入れる必要はありません。
酵素やアルカリ剤も入っているのであれば尚のこと、蛍光増白剤を入れなくても汚れを落とせるのであれば、あえて入れる必要はないんです。
へぇ~、知りませんでした。
では蛍光剤が入っている場合はどんな時なのでしょうか?
大手メーカーの低価格な洗剤は蛍光増白剤が入っている場合がありますよ。価格競争の激しい大手のメーカーは、「原価コストを削減したい。でもこれ以上洗浄成分を削ると洗浄力が落ちてしまう・・・。」というジレンマがあるのですが、洗浄成分を減らすとその分洗浄力が落ちて、汚れが残ってしまう事があります。
その残った汚れをごまかすために、蛍光増白剤が配合される事があります。蛍光増白剤はほんのわずかな量の配合でも効くので、コストを抑えて見た目をきれいに見せることが出来るんです。
低価格で手に入る反面、メーカー側も企業努力が必要なんですね!
不使用② リン酸塩
環境問題により、今は配合されている洗剤はほどんどありません。
不使用③ 着色料
着色料はそもそも入れる必要がありません。
通常は液体洗剤の見た目を良くするためだけに使用される事が多いすね。
不使用④ 水酸化ナトリウム
こちらも入っていなくて当然と言えるでしょう。
水酸化ナトリウムは5%以上入っていると毒物と言える程、アルカリ度の高い、強い成分です。そのため、安全を謳う洗剤には入れる事が出来ません。
通常は、厨房などの頑固な油を落とすための業務用洗剤には入っている事が多いです。
4つの酵素
最後に、使用されている「4つの酵素」についても見ていきましょう。
使われている酵素はこちらです。
① リパーゼ
② プロテアーゼ
③ アミラーゼ
④ セルラーゼ
酵素は高価なので、4つの原料を在庫に置くと初期費用がかなりかかります。大手の洗剤にも入っている事がありますが、ごく少量であることが多いです。
そんな高価な成分が4つも入っているのは魅力的ですね。
そうですね。ただ、どの程度配合されているかも注目したい点です。酵素は比較的粒が大きいので、密度をよく見てみると多い少ないがある程度分かるので、実物でチェックしてみるのもおススメです。
酵素は生き物のようなものなので、強くなったり弱くなったりします。
「あの洗剤」は弱アルカリ洗剤なのですが、アルカリ洗剤に酵素が長く閉じ込められていると、酵素は効き目が弱まってしまう性質があります。アルカリ洗剤はフレッシュなほど効き目が良いのですが、長く保管していると酵素の効きが悪くなるのです。
そのため、酵素の効果を謳っている洗剤が特売セールなどしている場合、長期保管されていた可能性を考えると、安易に購入しない方が良いかもしれませんね。
酵素ってデリケートなんですね。
結論
以上を踏まえると、
一般的なアルカリ洗剤(アルカリ電解水やマジックリンのような)と比べると、洗浄力は落ちてしまうのではないかと思われます。
通常、洗剤のアルカリ度が高いと油汚れが良く落ちるのですが、
「あの洗剤」の場合は、その折角のアルカリのパワーが、クエン酸が入っている事で中和されて弱まっている事が考えられます。
一方、重曹+クエン酸の働きによって、「発砲洗浄」という泡の働きが生まれます。洗浄力が弱くても、泡の力で汚れへの接触時間を作ることが出来るといったプラスアルファの効果はあるかと思います。(私個人の意見としては、発砲洗浄よりもアルカリの働きの方が抜群に落ちが良いと思いますが・・・。)
あと、泡の発砲した様子を目で見て楽しめるという点も、1つの魅力ですよね。
以上、「あの洗剤」の洗浄力は、アルカリ度が低い一方で、酵素とたっぷりの界面活性剤によって効力が補われていると考えられるでしょう。
そのため、ある程度の油汚れには効くと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。質問をお送りいただいた読者様、ありがとうございました。
アルカリ度を下げた分、別の成分で洗浄効果を補うという発想が興味深かったですね。
酵素についての知られざるお話も驚きでした。
気になった方は、一度「あの洗浄」を試してみてはいかがでしょうか?
それでは、またお会いしましょう!